2018年12月19日

都心オフィス空室率は1.98%。バブル以来の1%台へ――三鬼商事調べ

 オフィス仲介大手の三鬼商事が2018年12月13日、18年11月分の『オフィスマーケットデータ』を発表しました。それによると、東京都心の東京ビジネス地区の空室率は1.98%とついに1%台に突入しました。

●空室率1%台はバブル以来の水準
 三鬼商事によると、図表1にあるように「東京ビジネス地区」(都心5区=千代田・中央・港・新宿・渋谷)の2018年11月時点の空室率は1.98%になりました。10月の2.20%から2.22ポイントのダウン。空室率の低下は4か月連続です。
 東京ビジネス地区の空室率が2%を切って1%台まで下がったのは、月次データが残る02年1月以降では初のことで、他のデータなどをみてもバブルのピーク時の1991年以来のことではないかとみられています。
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●新築ビルの空室率が今年後半に急低下
 特に、この数か月は新築ビルの空室率の低下が際立っています。年初にはテナントが決まらないままオープンするビルが目立ち、新築ビルだけでみると1月は9.65%、2月は10.00%、3月は8.90%などと苦戦が続いていたのが、6月には3.77%まで低下、その後も10月4.16%、11月3.45%と堅調に推移しています。ほぼ満床の状態でオープンする新築ビルが増えています。
 新築ビルへの移動が進めば、既存ビルの空室率が悪化する懸念もありますが、今回はそんなことはありません。テナントが新築ビルに移動した空きオフィスにもすぐに新手のテナントがついています。
☆三鬼商事「オフィスマーケットデータ」
https://www.e-miki.com/market/tokyo/

●新興企業や地方企業の都心への進出が目立つ
 実は18年は、「東京ミッドタウン日比谷」など都心で大型ビルが次々に竣工、空室率が上がるのではないかと懸念されていましたが、案に相違して大手企業や新興企業の都心への移転や増床ニーズが強く、オフィスビルの需給は想定以上に逼迫したものになっているようです。
 たとえば、9月に開業した「渋谷ストリーム」。グーグルの日本法人が同ビルのオフィス部分をすべて借り切りました。また、アイリスオーヤマのように地方本社の有力企業が、都心に拠点を設置する動きも盛んになっています。

●平均賃料は59か月連続して上昇中
 需給が逼迫した結果、賃料の上昇も続いています。図表2をご覧ください。東京ビジネス地区のオフィス賃料は右肩上がりを続けています。特に、人気の新築ビルの上がり方がめざましく、それが全体の賃料を押し上げているようにみえます。
 三鬼商事によると、東京ビジネス地区ではこの11月で、何と59か月連続して上昇し続けているそうです。このまま12月も上昇すれば、ついに60か月の連続上昇を達成、上昇記録が満5年になる計算です。
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●新築ビルの坪当たり賃料は二桁台のアップ
 18年11月の坪当たり賃料は、平均2万0743円で、前年同月比では1679円、8.81%、前月比では146円、0.71%のアップです。
 特に、新築ビルの上昇率が高くなっています。11月の新築ビルの坪当たり賃料は2万9804円と、前年同月比2873円、10.7%のアップです。年率二桁台の上昇ですから、新築ビルへの人気の高さが分かろうかというものです。いよいよ坪3万円もターゲットに入ってきました。
 ちなみに、既存ビルの坪当たり賃料は2万0461円で、前年同月比1607円、8.6%の上昇でした。新築ほどではありませんが、こちらも堅調です。

●20年の新ビルラッシュが市場の試金石に
 今後の動向をみると、19年の都心5区の新ビル供給面積は約40万uと、18年の約60万uに比べるとかなり減少する見込みなので、現在の好調さを継続できそうですが、問題は20年。いまのところ年間で約70万uの新築ビルが誕生する見込みで、19年に比べて2倍近く増加すると予測されているのです。供給過剰になって、空室率や賃料に影響が出ないかと懸念されます。
 また、社会的な課題となっている「働き方改革」の進捗具合によっては在宅勤務の広がりなどによって、オフィスニーズが減少するリスクもあります。
 中長期的な視点からオフィスニーズを展望していく必要がありそうです。




posted by ky at 09:11| オフィス・商業ビル

2018年12月18日

消費税増税時のローン減税控除期間延長は15年ではなく13年に

 2018年12月14日、与党の2019年度税制改正大綱がまとまりました。住宅関連では、ローン減税の拡充が目玉で、現在の控除期間10年が13年に延長されることになりました。消費税増税による負担増を緩和しようというもので、多くの場合、消費税増税による負担増加分と同程度の減税額の増額になりそうです。

●15年間への延長には財源の問題などが重しに
 このローン減税の拡充案、当初は現行の控除期間10年から15年に延長する案が有力で、山下もそれを前提に各種メディアで取り上げてきました。もちろん、確定情報ではないので、変更の可能性があることも触れてきたつもりですが、予想通りにならなかったこと、誠に汗顔の至りです。
 この12月14日にまとめられた与党の税制大綱では、結局15年ではなく13年になりました。それも計算方法には細かな条件がついているので、これまで通りの方式で3年間延長されるわけではないので、その仕組みについて整理しておきましょう。




●19年10月から21年12月までに10%で買った人
 このローン減税の拡充の対象になるのは、床面積50u以上などの一定条件を満たす住宅を買ったり、リフォームした人などで、消費税10%で19年10月から20年12月末までに買った人です。
 この時期に買った人でも、個人間の取引きによる中古住宅であれば、消費税の対象にならないので、拡充策は適用されません。残念ながら、すでに住宅ローン減税の適用を受けている人も今回の拡充の恩恵に浴することはできません。

●買う時期、買う物件によって三つの制度
 つまり、今回の拡充策の実施によって、ローン減税制度には図表1にあるように三つの制度が存在することになります。
 まず、個人間取引で消費税の対象にならない中古住宅などを買った人は、時期にかかわらず10年間の最高控除額が200万円で、これから19年9月末までに消費税8%で買う人は控除期間が10年で、最大400万円、19年10月以降消費税10%で買う人は控除期間が13年になって、最大控除額は13年間で520万円ということです。
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●当初10年間はこれまで通り年末ローン残高の1%
 でも、13年に延長されたからといって、誰でも520万円になるわけではありません。13年間に延長された場合の控除額の計算方法についてみてみましょう。
 控除期間が10年から13年に延長されますが、当初の10年間はこれまで通り、年末ローン残高上限4000万円(長期優良住宅・低炭素住宅の認定住宅は5000万円)までの1%です。年間最大40万円(認定住宅は50万円)、10年間で400万円(認定住宅は500万円)になります。

●11年目から13年目までで増税分を控除
 11年目から13年目は、建物取得額の2%の3分の1が年間の控除額になります。それが3年間続きます。消費税増税相当額の建物価格の2%を、3年間で控除できるようにしようという考え方です。
 たとえば、建物価格が2000万円なら消費税増加分相当額の2%の40万円が3年間に分けて控除されます。年間13万3000円で、3年間で40万円ということです。建物価格が4000万円だと、その2%である80万円の3分の1ですから、年間26万7000円、3年間で80万円ということです。

●年末ローン残高の1%とのどちらか少ない金額
 ただし、従来通りの控除額計算方法の年末ローン残高の1%と比較して、どちらか少ないほうの金額が適用されます。仮にローン残高が2500万円だと、その1%の25万円がローン残高からみた控除額になり、建物取得額が2000万円であれば、建物取得価格から計算した金額は13万3000円です。この場合、少ないほうの13万3000円が実際の控除額になります。
 このケースで、建物価格が4000万円なら建物価格からみた年間控除額は26万7000円ですが、ローン残高からみた控除額は25万円ですから、少ないほうの25万円が控除額になるわけです。




●都心の高額マンションなどなら13年間で520万円
 11年目から13年目も最大控除額は年間40万円になるのですが、11年目以降も40万円になるためには、建物価格が6000万円以上で、当初の借入額が6000万円以上あることなどが条件。この条件を満たす人なら、11年目から13年目の控除額も40万円で、13年間の合計額が520万円になります。
 建物価格が6000万円というのは、新築マンションなら都心部などのかなり豪華なマンションで、土地・建物価格にすれば1億数千万円以上の億ションでしょう。
 注文住宅であれば本体価格6000万円以上でいいわけですが、本体価格6000万円といえば、総合住宅展示場などに出展している豪華な建物に近い物件ということになります。

●消費増税分と同じだけローン減税額が増える
 実際に、住宅ローンの借入額の減税額を試算してみました。図表2の❶が現行の控除期間10年間のローン減税額で、❷が控除期間が13年に延長された場合です。
 便宜的に建物価格はローン借入額の半分として計算したところ、消費増税による負担増加分とほぼ同じ金額だけローン減税額が増えることがよく分かります。
 たとえば、借入額6000万円で、建物価格が3000万円とすれば、消費増税による負担増加分は建物価格の2%ですから60万円です。それに対してローン減税額は現行では400万円ですが、13年間に延長されると460万円になって、ちょうど60万円増える計算です。消費増税で負担が増える分だけ、控除額も多くなるという仕組みです。
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●すまい給付金は最高50万円に増える
 つまり、ローン減税だけを考えれば、消費増税前に買っても、増税後に買っても負担額は変わらないということですが、そのほかの要素もある点に注意しておきましょう。ローン減税だけで損得を判断しては間違うことになります。
 まず、消費増税後には「すまい給付金」が拡充されます。消費税が8%に引き上げられたときに創設された制度ですが、10%引上げ時には現行の最高30万円が50万円になることが決まっています。

●19年度からは「次世代住宅ポイント制度」
 また、19年度からは「次世代住宅ポイント制度」が新たにスタートする見込みです。18年12月17日の大臣折衝では、昨日の本欄でお伝えしたように、1戸当たり35万円になりました。そこまで合わせて考えると、増税後のほうが有利になるかもしれません。
 年収などの条件にもよりますが、すまい給付金で50万円、住宅ポイントで35万円、最高85万円分の給付が期待できます。ローン減税で増税分をカバーできれば、この給付額分だけトクできる計算です。




●その他の変化要因にも十分な目配りが欠かせない
 さらに、消費増税によって景気が後退し、住宅市場も停滞すると、住宅価格が安くなる可能性もあり得ます。5000万円の住宅が4500万円、4000万円に下がれば、消費税の損得計算は吹き飛んでしまいます。増税後のほうが圧倒的に有利になるわけです。
 いまひとつ住宅ローン金利も重要なファクターです。仮に価格が1割下がっても、金利が1%上がれば元の木阿弥ですし、2%も上がったらたいへんなことです。

●自分たちにとっての最高のタイミングを見極める
 そう考えると、目先の損得計算ばかり考えて買い時を判断するのはどうかということになってきます。
 自分たちの生活設計、現在の家計状況、自己資金の準備状況などを十分にチェックして、問題なく買える環境にあって、買いたい、住みたいと思う物件が見つかったときが、その人にとっては最高の買い時なのではないでしょうか。
 もちろんそのときが、消費税、市場動向、金利などの面でも恵まれた状態であれば、いうことはありません。




posted by ky at 09:27| Comment(0) | 住宅取得支援策

2018年12月17日

大臣折衝で19年度の「次世代住宅ポイント制度」の創設が確定

 2018年12月17日、19年度予算について大臣折衝が行われ、「消費税率引上げに伴う住宅の需要変動の平準化対策」として、「すまい給付金」の拡充と「次世代住宅ポイント制度」の創設が確定しました。

●「すまい給付金」は給付額上限が50万円に
「すまい給付金」は前回の消費税引上げ時に創設され、税率8%時には上限30万円ですが、10%への引上げ時には50万円とすることが盛り込まれていました。今回、大臣折衝でそのための予算措置が認められ、上限50万円への拡充が決定しました。
 当初は、一段の対策が肝要ということで、50万円以上への増額が実施されるのではないという見方がありましたが、残念ながらそうはならなかったようです。
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●「次世代住宅ポイント制度」は上限35万ポイント
 消費税率10%で一定性能を有する住宅を取得したり、リフォームした人を対象に、「次世代住宅ポイント制度」が創設されることになりました。該当する場合には、さまざまな商品と交換できるポイントが付与されるもので、住宅の新築に関しては1戸当たり35万ポイント、リフォームは30万ポイントの予定です。
 図表にあるような住宅、リフォーム工事が対象ですが、より高い性能を有する住宅を取得する場合、若者・子育て世帯によるリフォームなどに関しては上限の引上げが実施される見込み。詳しい内容やいつから実施されるのかなどについては、改めて国土交通省から発表があるはずです。
posted by ky at 22:01| Comment(0) | 住宅取得支援策

『リノベーション・オブ・ザ・イヤー2018』グランプリは『黒川紀章への手紙』

 リノベーション協議会では、2018年を代表する魅力的なリノベーション事例を選出する『リノベーション・オブ・ザ・イヤー2018』を実施、その授賞式・講評会を、2018年12月13日、東京・本郷の東京大学にある伊藤国際学術センターで開催しました。

●2013年からスタートして今年で6回目に
 リノベーション協議会が実施している『リノベーション・オブ・ザ・イヤー2018』。その年を代表するリノベーション事例を決定するイベントで、2013年にスタート、18年で6回目になるそうです。
 全国の会員企業からエントリーを募り、まずはSNSで公開、「いいね!」の多かった事例を本選にエントリー、審査員が話し合って優秀作品、グランプリなどを決定する仕組みになっています。
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●昨年の1.5倍の79社・264件がエントリー
 この『リノベーション・オブ・ザ・イヤー2018』には、リノベーション予算によって、❶500万円未満、❷500万円以上1000万円未満、❸1000万円以上、❹無差別級の4部門があり、リノベーションへの関心の高さを反映してか、今年のエントリーは昨年の1.5倍の79社・264件に達したそうです。
 選考委員長でLIFUL HOME’S総研所長・島原万丈氏は、発表会の冒頭の挨拶でこう話しています。
「『いいね!』の件数は合計2万6191件で、昨年の3倍に達しました。レベルが高く、プレゼンテーション力も高まっているので、審査にはたいへん苦労しました」
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●グランプリは黒川紀章のマンションが舞台
 まず、上記4部門の「優秀作品」が発表され、続いて、優秀作品には惜しくも届かなかったものの、優れた作品であるとして「特別賞」が発表されました。
 その後、すべての作品のなかから、「グランプリ」として、写真にある『黒川紀章への手紙』が発表されました。タムタムデザイン+ひまわりによる作品です。
 タイトルからも分かるように、1999年にわが国を代表する建築家の黒川紀章氏の設計により建築されたマンションの1室リノベーションだそうです。
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●住まいのすべての場所から絶景を臨む
 黒川紀章氏のデザインでは、関門海峡の絶景を堪能できるのはリビングだけに限定されていたのを、玄関、キッチン、リビングなどのすべての空間から絶景が見渡せるように変更したのが最大のポイントのようです。
 作品名には、「黒川紀章先生、20年後のローカル建築家が出した『関門海峡への道』というリノベーション問答、この答えはいかがでしょうか?」という思いが込められているそうです。
 リノベーション予算は約700万円で、3か月かけて完成しました。

●リノベーションの盛り上がりは全国に
 山下は不勉強ながら、今回初めてこのイベントを見学させていただきました。全国からリノベーション関係者が数百人も集まり、リノベーションの波が全国に広がっているのを実感しました。
 実際、グランプリをはじめとする受賞作のなかには地方の物件も多く、リノベーション協議会の「かえる。くらし。すまい。」という思いが、着実に全国に浸透しているようです。
 こうしたイベントで関係者間の交流が進み、いっそう盛り上がっていくことを期待したいものです。




posted by ky at 09:26| Comment(0) | リノベーション

2018年12月16日

2017年の定期借地権マンション発売は882戸に――不動産経済研究所調べ

 不動産経済研究所が2018年12月11日、『全国定期借地権マンション供給動向 2018年上半期・2017年年間』を発表しました。それによると、定期借地権付きマンション、年間1000戸に満たない水準とはいえ、このところは比較的安定的な供給が続いているようです。

●2年連続で年間1000戸近い水準に
 2017年1年間の全国の定期借地権付き新築マンションの発売数は17物件・882戸でした。2016年は13物件994戸でしたから、物件数は4物件増えたものの、1物件当たりの戸数が減少し、発売戸数は112戸の減少でした。
 全国の定期借地権マンションの発売戸数、2010年までは年間1000戸を超えていたのが、10年、11年は500戸強にダウン、12年にはいったん1072戸まで増加したものの、その後13年、14年、15年は300戸台の低調な年が続きました。
 そして16年には994戸に回復、17年が882戸となったわけで、2年連続して1000戸近い水準が続いています。

●所有権より安い価格が見直されているのか
 価格をみると、17年の定期借地権マンションの平均は5427万円、1u単価は69.6万円です。16年は5842万円、74.7万円だったので、7%前後のダウンです。
 定期借地権マンションの魅力は何といってもその価格の安さですが、17年の首都圏だけの平均をみると5165万円、1u単価は68.9万円でした。
 17年の首都圏マンション全体の平均価格は5908万円、1u単価は85.9万円でしたから、たしかにそれに比べると14%ほど安くなっています。立地や広さ、グレードなどをチェックしないと断定的なことはいえませんが、首都圏の新築マンションが高くなりすぎているいま、それなりに魅力的な価格といっていいかもしれません。




●近畿圏のほうが首都圏より高い傾向に
 ただ、近畿圏の定期借地権マンションの17年の平均価格は6540万円で、1u単価は79.4万円でした。
 17年の近畿圏の新築マンションの平均価格は3836万円で、1u当たりの単価は63.0万円でした。それに比べると、格段に高くなっています。首都圏の平均よりも高いほどです。近畿圏にしては高くなりすぎるエリアの物件が多く、それを定期借地権にすることで価格を引き下げて販売されたのではないでしょうか。

●18年上半期の発売戸数は11.3%減の364戸
 18年上半期(1月〜6月)の定期借地権マンションの発売戸数は14物件・364戸でした。前年同期の9物件・369戸に比べると、物件数は増加したものの、戸数では若干の減少になっています。
 18年上半期の平均価格は5105万円で、1u単価は68.6万円。前年同期の6135万円、77.0万円に比べると価格にして1030万円、1u単価にして8.4万円の下落です。
 首都圏だけでみると、価格は4965万円で、1u単価は67.3万円。前年同期の5725万円、74.8万円から金額にして760万円、単価で7.5万円下落、一段と買いやすくなっています。

●事業主別ではNTT都市開発がトップに
 17年の定期借地権マンションの事業主別ランキングをみると、トップは168戸のNTT都市開発で、ついで関電不動産、野村不動産の順でした。1位と2位は16年から順位が入れ代わっています。
 18年上半期に関しては東京建物が96戸のトップで、NTT都市開発が2位、三井不動産レジデンシャルが3位に続いています。東京建物の17年の実績はわずか20戸でしたから、大幅な増加です。




posted by ky at 09:05| マンション市場

2018年12月15日

首都圏中古一戸建て成約価格は3か月連続してダウン---東日本レインズ

 東日本不動産流通機構が2018年12月10日に発表した『月例マーケットウォッチ』によると、首都圏中古一戸建ての11月の成約価格は3か月連続してダウンしました。中古マンションに比べると弱含みで推移しているようです。昨日に続いて、今回は11月の中古一戸建て、新築一戸建ての動向を紹介します。
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●中古一戸建ての成約件数は9.9%の増加に
 首都圏中古一戸建ての2018年11月の成約件数は1076件で、前年比9.9%の増加でした。10月は1.7%の減少でしたから、2カ月ぶりの増加です。これで3か月連続して月間1000件台の成約件数を維持していることになります。図表1にある通りです。
 都県別では特に東京都が21.0%も増加しています。千葉県と神奈川県は9.3%、8.6%の増加でしたが、埼玉県は4.0%の減少です。
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●成約価格は3か月連続の下落と弱含み
 ただし、11月の成約価格の平均は3121万円で、前年同月比で1.5%のダウンでした。図表2にある通りです。
 これで9月以来、3か月連続の下落です。前回お届けしたように、中古マンションは実に71か月連続して上昇しているのですが、それに比べると中古一戸建て市場はかなり弱含みに推移しているといわざるを得ません。
 都県別にみても、埼玉県だけは0.3%の上昇ですが、他のエリアはすべて下落になっています。

●新規登録、在庫ともに増加傾向が続いている
 中古一戸建て、このところ新規登録が増え続けています。11月は6034件で、前年比16.6%の増加でした。二桁増加は今年7月以来4か月ぶりのことです。なかでも、東京都が20.1%と高い増加率を記録しました。
 その結果、在庫も積み上がっています。11月の在庫件数は2万1049件で、前年比では11.4%の増加。これで3か月連続の二桁増です。その結果、7か月連続して在庫価格は下がり続けていて、それが契約価格の下落の要因になっているようですから、事態の急速な改善は期待しにくいかもしれません。
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●東京都の新築一戸建ての成約は二桁増
 東日本不動産流通機構では、仲介市場で扱われる新築一戸建ての集計も行っています。いわゆるパワービルダーなど、自社に販売部門を持たない会社の建売住宅が中心ですが、図表3にあるように、その18年11月の成約件数は423件でした。前年同月比では0.7%の減少です。
 ただ都県別でみると、東京都は104件と前年比14.3%の増加でした。3か月連続しての二桁増で、東京都における新築一戸建ての人気の高さを物語っています。
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●新築一戸建ての成約価格は3407万円に
 新築一戸建ての成約価格の平均は3407万円。図表4にあるように前年比では0.6%のダウンです。18年秋までは大幅なダウンが続いてきたのが、このところは±0%前後での推移に変わっています。価格下落の波に歯止めがかかり、そろそろ底打ちの気配といってもいいのかもしれません。
 ただ、新規登録は依然として高いレベルで増加、在庫も増え続けています。在庫は1万6000件台の高い水準ですから、過剰感が強く、急激な価格回復は期待できそうもありません。




posted by ky at 09:11| 住宅市場

2018年12月14日

首都圏中古マンションの在庫は過去最高の4万7000件台に

 2018年12月10日、東日本不動産流通機構が2018年11月分の『月例マーケットウォッチ』を発表しました。そのなかから、今回は首都圏中古マンションの市場動向を取り上げます。成約価格は71か月連続の上昇と堅調ですが、在庫件数が過去最高まで積み上がっているのが気になるところです。
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●成約件数は11.1%とおよそ2年ぶりの二桁増
 2018年11月の首都圏中古マンションの成約件数は3225件で、17年11月の2904件に対して11.1%の増加になりました。前年比で二桁台の増加は16年12月の17.7%以来ですから、およそ2年ぶりのことです。図表1を参照してください。
 都県別にみると、神奈川県が17.9%、埼玉県が17.8%の増加に対して、千葉県は9.5%、東京都は6.9%の増加でした。各都県ともに増えていますが、エリアによって増加状況にはかなりの違いがあるようです。
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●成約価格は13年以来の71か月連続上昇
 次に図表2をご覧ください。首都圏中古マンションの成約価格の平均は3297万円でした。前年同月の3202万円に対して2.9%の上昇です。これで、13年1月から実に71か月連続の上昇になります。
 成約1u単価は50.82万円で、前年同月比で1.2%のアップ。こちらもやはり71か月連続の上昇です。いずれも12月も上昇すれば、連続上昇記録は72か月、何と6年連続の上昇に達する計算です。
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●東京都区部の上昇記録はすでに6年以上に
 都県別では一都三県ともに上昇しています。細かくみると、東京都区部は12年10月から74か月連続の上昇。首都圏全体ではあと1か月で6年ですが、東京都区部に限れば、すでに価格上昇が6年以上続いていることになります。
 図表3にあるように、東京都の11月の1u単価は68.47万円で、前年比1.7%の上昇でした。次いで高い神奈川県が41.23万円で、0.3%の上昇。さらに、埼玉県は31.57万円、千葉県が27.81万円などとなっています。
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●在庫件数が増え続けて過去最高を更新
 気になるのが在庫の増加です。11月の首都圏中古マンションの在庫件数は4万7258件で、初めて4万7000件台に乗せました。前年比では5.0%の増加で、15年6月から42か月、3年半も連続して増えていることになります。
 マンションストック数が増えているのですから、在庫の増加も当然のことではあるでしょうが、これだけの件数になると余剰感が強まって需給バランスが崩れ、成約価格の下落につながるのではないかという懸念も出てきます。
 今後の動向をいっそう慎重に見守る必要がありそうです。




posted by ky at 09:38| マンション市場

2018年12月13日

世界初「木材ストロー」をアキュラホームとザ・キャピタルホテル東急が共同開発

 2018年12月11日、注文住宅のアキュラホームとザ・キャピタルホテル東急は、世界初となる「木材ストロー」の企画・開発・監修・導入について、共同発表しました。記者会見には、発案者である環境ジャーナリストの竹田有里氏も出席しました。

●社会問題となっているプラスチックストロー
 海洋汚染や健康被害などが問題になっているプラスチックストロー。大手コーヒーショップ、ファーストフードチェーンが廃止を決めるなど、大きな社会問題となっています。
 それに対して、注文住宅メーカーのアキュラホームが間伐材を使用した木材ストローを開発、ザ・キャピタルホテル東急がホテル内のショップなどで採用し、量産化に向けて本格的な取組みを始めています。2018年12月11日、その共同発表が東京・永田町のザ・キャピタルホテル東急で開催されました。
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●テレビのキー局が全局出席するほどの関心の高さ
 住宅メーカーの記者発表といえば、住宅関係の専門誌やわれわれのようなジャーナリスト、そして経済誌や一部の全国紙などが出席する程度ですが、そんな枠組みを超える盛況でした。
 テレビのキー局全局のほか、全国紙の担当者が出席、社会的な関心の高さを反映した記者発表となったようです。
 実際、当日の夕刻などのテレビ各局のニュースなどで取り上げられ、翌日の新聞各紙にも掲載されたようです。
 ちなみに、会場では木材ストローの実物で紅茶を試飲させてくれましたが、企業秘密などもあってか、会場からの持ち出しは禁止でした。

●西日本豪雨の土砂災害が取組みの原点に
 このプロジェクトの発案者は環境ジャーナリストの竹田有里氏。今年7月の西日本豪雨の現地の取材において、森林の間伐などが行なわれずに放置されていたことが、深刻な土砂災害につながったことを知り、何とか間伐材を有効活用する方法はないかと、木材を使ったストローを発案。カンナ社長として知られる宮沢俊哉氏が創業した注文住宅のアキュラホームに話を持ちかけたそうです。
 間伐材を利用できれば、森林保護につながるほか、ストロー作成業の雇用拡大などにつながるのではないかと期待しています。
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●小学校の机の天版を無償で提供する活動も
 アキュラホームの宮沢社長は、社員の名刺や辞令をカンナの削りばなでつくるほど、木材へのこだわりを持っていることを知って、竹田氏が話を持ちかけたそうです。。
 実際、アキュラホームは小学校の机の天版がどんどん合板にとって代わっているのを、自然の材料に触れて欲しいと天板を提供する活動を行ったりしています。
 当初は、木材に穴を開けてストローを作るなどの試行錯誤を重ねたもののうまく行かず、最終的にはスギの間伐材を写真にあるように0.15oにスライスして、それを斜めに巻き込んで接着する形になりました。

●ザ・キャピタルホテル東急のレストランで導入
 斜めにすることで、きれいな木目が出ますし、プラスチックの無味乾燥な仕上がりではなく、木材のめくもりも感じます。
 現在のところスライス以降の作業は手作業になるので、障害者の支援施設などでの雇用の拡大などにつなげられるのではないかといった期待もあるそうです。その際、接着剤を使用しますが、その安全性に関しては専門機関のお墨付きを得ています。
 この木材ストロー、共同開発に当たったザ・キャピタルホテル東急のレストラン1店で19年1月から導入され、4月からホテル内の全店で使用される予定です。アキュラホームでも、住宅展示場などのモデルハウスでの接客時などに利用したい方針です。
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●まずはキャピタルホテル全館で使用
 ザ・キャピタルホテル東急は東京・永田町にあって、政財界の要人や外国からのVIPの利用も多く、世界に向けて発信力がある点から、木材ストロー開発のパートナーに選ばれたようです。
 そのザ・キャピタルホテル東急では年間8万本ほどのストローを消費しています。現在は冷たい飲み物などにはすべてストローを付けていますが、今後は原則的に付けずに、希望するお客だけに出すスタイルに変更し、あわせて木材ストローに移行していく方針。年間の使用量は現在の半分の4万本ほどに減るのではないかとしています。

●量産化が実現してコストダウンが進む
 このホテルでの需要を前提に量産化計画を進め、現在ではストロー1本当たりの生産コストが数十円までダウンしています。さらに、使用が広がって、全国に拡大していけば、劇的にコストダウンが進むことになるでしょう。
 アキュラホームでは、この木材ストローに関して意匠登録の準備を進めていますが、技術を独占するということではないそうです。技術に関してはアキュラホームで管理しながら、より多くの企業につくってもらい、広く浸透していくことを期待しています。アキュラホームの担当者は、「決して経済的な利益を考えているのではない」としています。本業は住宅であり、木材ストローは社会貢献ということでしょうか。




●社会的な意義を評価しての導入に期待
 とはいえ、木材からの加工のコストダウンには限度があります。プラスチックのストローの現在の生産コストは1本当たり0.5円だそうですが、とてもそこまで下げることはできません。
 間伐材の使用を想定していますから、原材料費はさほどかかりませんが、それをスライス、加工する手間ヒマを考えると、プラスチックのようにはいかないのは当然のことでしょう。
 しかし、多少高くても、環境にやさしい、健康にいいといった付加価値の部分を評価して使ってみようとする企業が増えることを期待しています。

●ポストプラスチックの主役争いが始まる
 現在のところ、プラスチックストローに代わるものとして、ストローの要らない容器の開発、プラスチックを使わないストローの開発などが進められています。
 プラスチック代替として最も有力なのは紙でしょう。加工が容易で、お洒落な色彩なども可能で、コスト的にプラスチックほどではないにしても、かなり安くなりそうです。
 そのほかトウモロコシや竹を使ったストローの開発も行なわれています。トウモロコシなら食品ですから安全性はいうまでもありませんし、竹なら、使い捨てと洗浄しての再利用なども可能でしょう。再利用という点では、ステンレス製のストローも注目されているようです。
 そうしたなか、木材ストローがポストプラスチックの主役になれるのかどうか、注目しておきたいところです。




posted by ky at 08:59| 住宅メーカー

2018年12月12日

注文住宅の建築費の平均は2807万円で前年比1.2%の増加に---リクルート調査

 リクルート住まいカンパニーが2018年12月4日、『2018年注文住宅動向・トレンド調査』の結果を発表しました。実際に注文住宅を建てた人、検討している人を対象とする調査であり、これから注文住宅を建てたいと考えている人にとって参考になりそうなデータがありそうです。

●建築費は3000万円以上が37.4%を占める
 実際に注文住宅を建てた人にその建築費用を聞いたところ、図表1のような結果でした。500万円単位の刻みでみると、「2000万円以上2500万円未満」が23.7%と最も多く、次いで「2500万円以上3000万円未満」の19.3%、「3000万円以上3500万円未満」の17.9%となっています。
 2000万円台の合計が43.0%と主流を形成していますが、一方では3000万円以上も37.4%で、前年に比べて1.0ポイントアップしています。
 全体の平均は2807万円で、前年に比べて32万円高くなっています。
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●首都圏の平均は2984万円とやや高い傾向
 この建築費用を首都圏だけに限ると、やはり「2000万円以上2500万円未満」が18.0%と最も多いのですが、全国平均では23.7%にのぼっていたのに比べるとかなり少ないようです。反対に、「5000万円以上」は全国平均の4.5%の2倍以上、9.9%に達しています。その結果、3000万円以上の合計は44.2%と全国平均の37.4%を大きく上回っています。
 首都圏で注文住宅を建てた人の建築費用の平均は2904万円。上にある全国平均より200万円近く高くなっています。首都圏は建築費そのものが高くなっているのと同時に、平均年収が地方に比べてかなり高いこともあって、グレードの高い住まいを求める傾向が強いのでしょう。

●土地なしで注文住宅を検討する人が増加傾向
 注文住宅を検討している人に対して、土地があるかどうかを聞いたところ、「土地なし」が62.8%で、「土地あり」は36.7%という結果でした。「土地なし」の割合は、16年の57.3%から17年には59.9%に増加し、今回初めて60%台に乗せました。
 新規に注文住宅を建てた人たちが土地をどうしたのかをみると、「新しく土地を取得して注文住宅を建てた」が52.2%に達しており、土地なしの状態からの注文住宅の建築が主流になりつつあるようです。
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●建築会社から土地情報を取得が半数以上
 では、土地なしでスタートして実際に注文住宅を建築した人たちは、どこで土地情報を取得したのでしょうか。
 トップは「建築会社に相談した」というもので、55.9%に達しています。以下「不動産会社に相談した」「ポータルサイトを見た」「不動産会社のホームページを見た」などが続いています。図表2にある通りです。
 多くの場合、住宅展示場などでモデルハウスを見ながら、住宅メーカーや工務店などで相談しているようです。

●注文住宅の消費税経過措置は3月末まで
 ところで、注文住宅に関しては消費税の経過措置が適用されます。通常、消費税は引渡し期日の税率が適用されますが、注文住宅に関しては建築請負契約から引渡しまでの期間が長くなる点を考慮、19年3月までに請負契約を締結しておけば、引渡しが19年10月以降になっても税率8%のままでいいという制度です。
 その意味では、注文住宅に関しては税率8%で建てられる期間が来年3月末までと目前に迫っていることになります。

●経過措置の内容を理解している人は2割強
 注文住宅の建設を検討している人に対して、この経過措置を知っているかどうかを聞いたところ、「内容まで理解している」は22.0%に止まっています。「何となく知っているが詳細はわからない」が45.2%で、「全く知らない」が32.8%になっています。
「内容まで理解している」とする割合は、17年調査の14.0%から8.0ポイント高まっていますが、それでも周知徹底されているとはいえないのが現実のようです。経過措置期限まで、あまり日にちがありませんから、注文住宅を建てたいと考えている人は急いだほうがいいかもしれません。
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●3人に2人は増税前の注文住宅建設を希望
 というのも、注文住宅検討者に消費税増税前に建てたいかどうかを聞くと、図表3にあるように「絶対に間に合わせたい」が31.3%で、「できれば間に合わせたい」が36.3%に達しているのです。3人に2人以上は増税前に注文住宅を建てたいと考えているのですから、何より経過措置の内容をシッカリと理解しておく必要があります。
 上にあるように、注文住宅建設にとって、税率8%ですむ期限が目前に迫っているので注意しておかなければなりません。
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●共働き世帯ほど早めの注文住宅建築を検討
 最近は共働きで注文住宅を建てたいと考えている人が増えています。今回の調査でもその点に着目した調査項目を設けています。
 注文住宅の建築を検討している共働き世帯では出産前に注文住宅を建てて、新居で出産したいとする世帯が多いのに対して、共働き以外の世帯では、子どもの小学校入学前に建てたいとする世帯が多くなっています。図表4にある通りです。
 共働き世帯では結婚時、妊娠時に注文住宅を建てたいという世帯も少なくなく、できるだけ早めの建築を考える傾向が強いようです。

●ZEHの浸透はやや足踏み状態に
 いまひとつの傾向として、大手住宅メーカーを中心に、注文住宅においては「ゼロ・エネルギー・ハウス」(ZEH)の建設が増えています。
 その認知率をみると、注文住宅検討者では「内容まで知っている」が23.1%で、「名前だけは知っている」が42.9%のほか、「名前も知らない」が34.0%に達しています。注文住宅を検討している人でも、3人に1人はZEHを知らないという残念な結果です。
 実際に注文住宅を建てた人たちのZEH導入率をみると、「導入した」は18年で17.6%にとどまっています。17年は17.7%でしたから、足踏み状態に陥っているようです。
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●ZEHを導入すれば光熱費は年間8万円ダウン
 しかし、ZEHを導入すれば生活が快適になる上、光熱費を大幅に削減できます。18年にZEHを導入した人たちに経済的効果を聞いたところ、図表5にあるように、月額で「5000円以上1万円未満」の効果とする人が34.7%と3人に1人に達しています。「1万円以上1万5000円未満」も21.7%あって、全体では64.1%の人が月額5000円以上の経済的効果があるとしています。
 平均すると光熱費は月額6609円のダウンという結果でした。年間では約8万円ですから、ZEH化のために一定のコストがかかったとしても、10年、20年の間にはそのコスト分を回収できるのではないでしょうか。




posted by ky at 09:05| 意識調査

2018年12月11日

日本不動産研究所が定例講演会。テーマは「社会・経済の変化なかでの不動産」

 一般社団法人の日本不動産研究所。毎年12月には業界関係者向けの定例講演会を行っており、今年も12月7日、東京・有楽町の有楽町朝日ホールで開催されました。例年のことですが、最大772席のホールが9割方埋まる盛況ぶりでした。

●日本不動産研究所理事長・日原洋文氏の挨拶
 講演会の冒頭、日本不動産研究所の日原洋文理事長が挨拶しました。
「今年は私たちが発表している『市街地価格指数』でも、26年ぶりに全体平均がプラスになるなど、不動産価格は好調に推移しています。また国土交通省の『地価lookレポート』でも、100の調査地点のうち98%が上昇し、残り2%は横ばいで、下落地点はゼロになっています。問題はこの勢いがどこまで続くのか、20年の東京オリンピック・パラリンピック後も大丈夫かという点でしょうか。本日の講演会ではそんな疑問へのわれわれなりの回答をご披露したいと考えています」
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●17年から続く「適温相場」が来年も続くか
 講演会は二部構成。一部は、日本不動産研究所の不動産エコノミスト・吉野薫氏の「2019年の不動産市場」と題した講演で、二部では、中央大学文学部教授・山田昌弘氏が「日本家族の行方と不動産業界の今後」のテーマで講演しました。
 ここでその内容を詳しく紹介することはできませんが、吉野氏の講演は、17年から続いている不動産の「適温相場」が18年にも引き継がれてきたことを分析、恐らく19年も想定外の要因がない限り、現在の安定的な「適温相場」が続くだろうということでした。
 ぜひともこの見通しがあたることを願いたいものです。

●家族社会学の第一人者がみる不動産業界
 一方、第二部の山田氏はわが国における家族社会学の第一人者。家族関係を社会学的に読み解くことを得意とし、これまで「パラサイトシングル」「格差社会」「婚活」などのネーミングを行ってきました。
 その家族社会学の視点から、不動産業界としては人口や世帯数の減少といった問題だけではなく、世帯の中身が大きく変化していることに注目しておく必要があるといった提言を行っています。
 不動産業界にとっては商品戦略などに参考になりそうな講演でした。




posted by ky at 09:01| 住宅市場