
●中古マンション成約件数は4か月連続減少
東日本レインズによると、2022年4月の首都圏中古マンションの成約件数は図表1にあるように3094件でした。21年4月の3428件に対して前年同月比9.7%の減少です。
首都圏中古マンションの前年同月比での減少はこれで4か月連続ですが、22年1月から3月まで二桁台の減少だったのが、4月は一桁台になりました。大幅な減少ピッチが少しは縮小するのでしょうか。

●成約価格は23か月連続のアップ
22年4月の成約価格の平均は図表2にあるように4363万円でした。21年4月の3826万円に対して、前年同月比14.0%の大幅なアップです。首都圏中古マンションの成約価格の前年同月比での上昇はこれで23か月連続になります。しかも、二桁台の大幅な上昇ですから、どこまで上昇が続くのか、先行きが不安になります。
1u当たりの単価は68.72万円で、こちらは前年同月比16.3%のアップ。単価の上昇は成約価格の23か月連続以上の24か月連続だそうです。

●一都三県ともに二桁台の上昇率に
成約価格の都県別の推移は図表3のようになっています。一番高い東京都は5466万円で、前年同月比11.7%の上昇です。
一都三県ともに二桁台の上昇ですが、なかでも最も上昇率が高かったのは、神奈川県です。22年4月の成約価格は3500万円で、21年4月の3044万円に対して前年同月比15.0%の上昇です。

●新規登録件数は1万4000件台に
次に、中古マンションの新規登録件数をみると、図表4のようになっています。
22年4月の新規登録件数は1万4226件でした。22年1月から調査対象の見直しがあったため、前年同月比の数値は出していませんが、前月比をみると、3月の1万3852件に対して2.7%の増加です。
首都圏の中古マンション新規登録件数は長く減少が続いてきましたが、このところは増加傾向がみられるようになっています。

●在庫件数は増え続け増加幅も徐々に拡大
新規登録件数の増加によって在庫件数もこれまでの減少から増加に転じています。図表5にあるように22年1月まで前年同月比でマイナスが続いていたのが、2月からプラスに転じ、2月は2.6%、3月は8.5%、4月は9.3%と増加幅もしだいに大きくなっています。
中古マンション価格の上昇が続いているなか、先高感から売り惜しみする人が増えているといわれますが、22年に入ってからは、「そろそろ売っても損はしないのではないか」と売出しに動く人が増えているのかもしれません。

●成約価格と新規登録価格の差が縮小傾向
図表6をご覧ください。首都圏中古マンションの1u当たりの在庫価格、新規登録価格、成約価格の推移を示しています。
新規登録価格と成約価格の差が大きいと、ある程度値引きしないと契約が成立しにくい売り手市場という見方ができますが、この数か月はその差が急速に縮小しています。22年2月には9.05万円もの差があったのが、4月は3.49万円と半分以下になっています。
それだけ値引きの可能性が小さくなっているとみられ、需給関係が逼迫しているようにみえます。5月以降、この流れがどうなるのか注目しておきたいところです。

