2019年10月05日

『PLAYatre TSUKUBA』に星野リゾートが新ブランド「BEB」で参入

 JR系の株式会社アトレが、JR常磐線の土浦駅で新たな業態ともいうべき駅ビル、『PLAYatre TSUKUBA』の開発を進めています。「日本最大級のサイクリングリゾート」というのがコンセプトで、それに合わせて星野リゾートが新ブランド「BEB」を掲げて参入するそうです。2019年9月30日、東京都千代田区の丸の内ステーションホテルで発表会が開催されました。
028.JPG
●駅ビルの売上高は最盛期の6分の1まで落ち込む
『PLAYatre TSUKUBA』は、数奇な運命を経た駅ビルです。もともと1983年に土浦ステーション開発が、「土浦WING」として開発し、08年に閉業後、09年にイオンモールが「ペルチ土浦」として開業、12年にアトレが運営を継承しました。
 アトレ代表取締役社長・一ノ瀬俊郎氏は、この間の事情をこう説明してくれました。
「最盛期には年間112億円あった売上高が20億円まで落込み、沿線の活性化、魅力ある街づくりが不可欠になっていました。そこで、土浦の魅力は何かと考え方とき、日本最長のサイクリングコース『つくば霞ヶ浦りんりんロード』があるじゃないか、これを活かさない手はないということになりました」
book_table[1].jpg 
●20年3月に星野リゾートを迎えてグランドオープン
 こうして、「土浦WING」として出発した駅ビルは、駅ビル全体が自転車の持込みを可能とし、メンテナンスや宿泊機能なども備えた国内最大級のサイクリング特化施設『PLAYatre TSUKUBA』に生まれ変わることになったわけです。
 18年3月に、その第1弾として「BIKE BASE」となる「りんりんスクエア土浦」が誕生、レンタサイクル、ロッカー、シャワールームなどが備えられました。続いて19年4月には、レストラン、カフェなどの「STATION LOBBY」が、そして20年3月には、「BOOK TABLE」がオープンし、いよいよ20年3月に「CYCLING HOTEL」である星野リゾートの『BEB土浦』が開業、グランドオープンとなります。
img_open01[1].png
●魅力度6年連続最下位の不名誉の挽回なるか
 土浦市のある茨城県といえば、民間調査会社の「ブランド総合研究所」の「都道府県別魅力度ランキング」で6年連続最下位という不名誉な記録を更新しています。
 このため、茨城県では18年11月には東京・銀座にあるアンテナショップを全面リニューアルするなど、茨城県のアピールに力を入れています。
 今回の発表会にも、大井川和彦知事が自ら出席しました。
「6年連続最下位から上位に脱出するため、昨年から『宿泊施設立地促進事業』を実施し、最大10億円の補助金を出す制度をスタート、プレミアムホテルや旅館の誘致を図ってきました。それが、ようやく星野リゾートさんの進出につながって、これからに多いに期待しているところです」
 として、発表会では、大井川知事と一ノ瀬社長が壇上に上がり、宿泊施設立地促進事業の認定式も執り行われました。
BEB_Ctype[1].jpg
●星野リゾート5番目のブランドとしてスタート
 ところで、なぜ星野リゾートなのでしょうか。
星野リゾートといえば、わが国のラグジュアリーリゾートの代表格というイメージばかりが先行していますが、実はそればかりではありません。
 星野リゾート代表の星野佳路氏が説明してくれました。
「当社には、お客のセグメントに応じて、ラグジュアリーリゾートしてとの『星のや』、西洋型リゾートの『リゾナーレ』、全国展開の温泉ブランド『界』、ディープな観光客のための都市ホテル『OMO』があります。そして、このほど仲間とルーズに過ごすホテルを目指す5番目のブランドとして『BEB』をスタートさせることになりました」
BEB_public_2[1].jpg
●星野リゾートとして1泊6000円からの破格の料金設定
「BEB」の第1弾は長野県軽井沢町の『BEB軽井沢』で、19年3月オープンの『BEB土浦』はその第2弾になります。全90室の比較的コンパクトなホテルで、1泊当たりの料金は、2名1室利用、食事別、税別で1名当たり6000円からだそうです。
 たしかに、星野リゾートのイメージからすると格段にリーズナブルな価格帯で、利用しやすそうです。
 これは、最近の若い世代の旅に対する考え方の変化に対応したものだそうです。星野の代表はこう語ります。

●「居酒屋以上、旅未満」がコンセプト
「若い人たちは旅行しなくなっています。自宅から数キロ程度の街歩き、それが旅行なんです。日常と旅の間、それがいまの若い人たちの旅行です。今回スタートする新たなブランである『BEB』では、『居酒屋以上、旅未満』をコンセプトとしています」
 つまり、何か月も前から大げさな旅支度をする旅行ではなく、ちょっとした準備だけで、普段の飲み会よりは素敵に、旅よりは気軽に、いつもの仲間と、好きなときに、好きな場所で楽しめる、そんなホテルを目指しているそうです。
 果たして6年連続の最下位からの脱出のキッカケとなるのかどうか、その動向が注目されます。



posted by ky at 09:21| オフィス・商業ビル