2019年10月20日

いよいよ首都圏マンション市場は中古マンションが主役の時代に本格突入

 2019年10月17日、不動産経済研究所が2019年度上半期(19年4月〜9月)の首都圏新築マンションの発売戸数を発表しました。それによると、半年間の発売戸数は1万1996戸で、これは1992年度上半期の1万0357戸以来の低水準で、首都圏マンション市場の低迷ぶりを示す結果となりました。

●発売戸数はバブル崩壊時以来の低水準に
 不動産経済研究所によると、2019年度上半期(2019年4月〜9月)の首都圏新築マンションの発売戸数は1万1996戸で、前年同期に対して21.7%の減少。4月〜9月の発売戸数の減少は6年連続で、ついにバブル崩壊時の92年度上半期の1万0357戸以来の低水準となりました。
 これだけ発売戸数が減っているのに、契約率は低いままです。19年度上半期の契約率は64.6%で前年同期比では0.6ポイントの減少です。業界の採算ラインといわれる70%を下回る状態が続いています。

●売れないのに価格はむしろ上昇傾向に
 なぜ売れないのか、理由は簡単で価格が高すぎるからです。東京カンテイの年収倍率では、首都圏平均で11倍台、東京都だけに限れば13倍台ですから、平均的な会社員が買える範囲をはるかに越えています。
 しかも、土地の仕入れ値、建築費が高止まりしているため、分譲会社としてもなかなか価格を下げるわけにはいきません。19年度上半期の平均価格は6006万円で、前年同期比4.2%の上昇です。この6006万円という数字は、バブルピーク時の91年度上半期の6137万円以来の6000万円台で、売れないのに価格だけはバブル並みの水準に達しているのです。
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●中古の成約価格は新築の6割以下の水準
 これではとても手が出ないということで、中古マンションに向かう人が増えているのではないでしょうか。新築マンションは難しくしても、中古マンションなら何とかなると考える人が増えてもおかしくありません。
 実際、図表1にあるように、首都圏中古マンションの成約価格の平均は18年度で3333万円です。18年度の新築マンションの平均は5871万円ですから、中古なら新築の56.8%で手に入ることになります。新築の価格上昇にともなって、中古価格も上がってはいるのですが、それでも新築に比べるとなだらかな上昇カーブです。
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●16年は中古の成約件数が新築発売戸数を上回る
 このため、中古マンションの成約件数は年々着実に増加しています。図表2にあるように、新築マンションの発売戸数は13年の5万戸台をピークに減少していますが、その一方で中古の成約件数が増えているため、16年にはついに中古マンションの成約件数が、新築マンションの発売戸数を上回りました。
 当時は、新築と中古の主役交替の時期かと騒がれましたが、その後はさほど大きな動きはなく、17年、18年と中古が新築をやや上回る水準で推移してきました。
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●19年には中古が新築を大きく引き離す可能性
 しかし、19年に入って新築の発売戸数が大幅に減少し、中古は着実に増加しているため、19年には中古のほうが新築よりかなり多くなりそうです。
 図表3にあるように、19年に入ってから毎月レベルでみても、中古マンションの成約件数が新築マンションの発売戸数を大きく上回っています。9月までの累積でみると、中古は3万件台に近づいているのに対して、新築はまだ2万戸を超えたばかりです。
 例年、12月には新築マンションの供給戸数が急増しますが、それを考慮しても19年1年間の両者の差が数千件単位になるのは間違いないでしょう。

●中古マンションが主役の時代が定着するのか
 いよいよ中古マンションが主役の時代がやってきたということでしょうが、残念ながらそれは、中古マンション市場が急拡大しての主役交替ではなく、新築マンションの失速による中古マンションの”不戦勝”といった色彩は免れません。
 とはいえ、この先も新築マンションの発売戸数が急速に増加することは期待しにくいのが現実だけに、このまま本格的に中古マンションが主役の時代に入っていくことになるのでしょう。




posted by ky at 09:01| マンション市場