●1位は大作家の周年行事があるイングランド
ニューヨーク・タイムズの「○○年に行くべき52か所」。23年には岩手県の盛岡市、24年には山口県の山口市が選ばれて、世界的に注目度が高まり、インバウンド客が押し寄せ、マンションなどの不動産価格にも影響を与えました。
その25年版では、30位に富山県富山市が選ばれ、38位に大阪府大阪市が入りました。ちなみに、1位はイギリスの代表的な作家であるジェーン・オースティンの生誕250周年行事が開催されるイングランドが選ばれています。

●人ごみを避けながら自然と料理を楽しむ
30位に入った富山県富山市は、「人ごみを避けながら、文化的な驚異と料理の喜びをお楽しみください」として、取り上げられています。
一方を日本アルプス、一方を日本海に抱かれて自然に恵まれた富山市。24年には地震と集中豪雨で壊滅的な被害を受けた能登半島の玄関口として機能、復興途上にありながらも復興の一環として観光客を魅力するさまざまな施設やイベントなどがあります。
●隈研吾の「ガラス美術館」が富山の目玉
ニューヨーク・タイムズ紙では、世界的な建築家である隈研吾氏が設計した公立図書館を併設する「ガラス美術館」を、木と光でそびえ立つ大聖堂として、富山市の目玉と推奨しています。
また、八尾郊外で夜通し独特な踊りが実施される「おはら風の盆」のほか、各地に点在する食の名店が紹介されています。

●万博開催の大阪市は38番目に入選
38番目に選ばれた大阪府大阪市は、何といっても25年4月に開幕する大阪・関西万博が最大の注目点です。博覧会協会によると、半年間の会期中におよそ2800万人の来場を見込んでおり、今回世界的なメディアで取り上げられたことで、万博の開催が広く知れ渡り、海外からの来場者が増えるキッカケになるのではないでしょうか。
ただ、38位という位置づけですから、現状ではまだまだ世界的に十分に知られているとはいえないのかもしれませんが、LGBTQなど性的マイノリティーの観光客に配慮した環境整備なども紹介しています。
●「グラングリーン大阪」で魅力加わる
それだけでありません。同紙はJR大阪駅北側の大規模開発で、大阪が大きく変貌している点も取り上げています。
再開発によって24年に誕生した「グラングリーン大阪」は、広大で進歩的な都市の新たな緑地が楽しめる」と評価しています。大阪といえば、「食の街」というイメージが強いのですが、そこに、新たな魅力が加わりました。
なかでも、アジア初進出のポルトガル・リスボン発の「タイムアウトマーケット大阪」は総面積3000uの広大な空間に、街の人気レストラン、スイーツ店やバーが集結、地元アーティストによるカルチャーやライブも楽しめると紹介されています。
春の万博開幕時には、ぜひ訪れたいものです。