2019年10月07日

19年4月〜6月の住宅ローン新規貸出額は前年同期比で2.1%の増加に

 住宅金融支援機構では、1989年度から、日本銀行の金融統計に加え、各業界団体の協力を得て、業態別の住宅ローン新規貸出額および貸出残高に関する調査を行っています。2019年10月4日、その2019年4月〜6月分の結果が発表されました。

●持家着工の増加や金利低下が増加の背景に
 住宅金融支援機構によると、2019年4月〜6月の住宅ローン新規貸出額は4兆8412億円でした。18年4月〜6月は4兆7394億円でしたから、前年同期比では2.1%の増加になります。
 このところ新設住宅着工戸の総計は停滞気味でしたが、持家だけは19年に入ってから着実に前年比で増加が続いています。加えて、長期金利が低下して、民間住宅ローン金利も低下傾向にあることが、この住宅ローン貸出額の増加につながったのでしょうか。

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●住宅金融専門会社が伸びて信金は停滞
 業態別に明暗がハッキリしています。国内銀行は前年比2.4%とほぼ全体平均と変わらないのですが、信用金庫は5.6%、信用組合は7.3%のマイナスでした。地域金融機関の苦戦が目立っています。
 反対に好調だったのは、生命保険会社と住宅金融専門会社。ともに22.6%、37.9%の増加でした。
 また住宅金融支援機構(買取債権)、つまりフラット35(買取型)は3.6%の減少でした。




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2019年09月09日

住宅ローン借換えで2割前後の人が金利1%超低下、月額1万円超の軽減を実現

 住宅金融支援機構が2019年9月6日、『2018年度民間住宅ローン借換の実態調査』を公表しました。19年4月に、18年度中に住宅ローンの借換えを行った人たちにインターネット上でアンケート調査、先着順に回答があった1000件を調査対象としています。
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●借換え後の金利タイプは変動金利型が半数近くに
 借換え後の金利タイプ別のシェアをみると、図表1のように18年度には変動金利型が48.6%とほぼ半数近くに達しています。16年度の28.0%、17年度の42.0%から着実に増加しています。反対に、固定期間選択型は38.9%で、16年度の58.9%、17年度の46.3%から大幅に減少しています。
 全期間固定金利型の18年度のシェアは12.5%でした。16年度は13.1%、17年度は11.6%でしたから、11%台から13%台の落ち着いた動きになっています。

●金利の先高感が弱まって変動金利型にシフト
 16年度には日銀のマイナス金利政策導入によって長期金利が大幅に低下、固定期間選択型の特約期間の長いタイプ、全期間固定金利型の金利が過去最低水準まで下がりました。そのため、固定期間の長いタイプへの借換えで、超低金利にフィックスしようとする動きが増加しました。
 しかし、それが、当分はマイナス金利政策に変化はなく、むしろ一段の金融緩和の可能性が高まっていることから、金利の先高感が弱くなり、18年度には金利の低い変動金利型に借り換えてもOKと考える人が増えたのではないでしょうか。
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●借換えで変動金利型が固定期間選択型を上回る
 実際18年度に借り換えた人の借換え前の金利タイプをみると、変動金利型のシェアは38.7%でした。それが、借換え後の金利タイプでは48.6%に増えています。
 反対に、固定期間選択型の借換え前のシェアは41.5%と変動金利型を上回っていました。それが、借換え後のシェアは38.9%に低下し、変動金利型に逆転されています。
 全期間固定金利型も借換え前には19.8%と2割近いシェアだったのが、借換え後は12.5%に縮小しています。調査を実施した住宅金融支援機構としては、全期間固定金利型のフラット35が主力商品ですから、何とも皮肉な結果といえそうです。

●借換えの理由は金利低下と返済額軽減
 次に借換えを行った理由を聞くと、図表2にあるように、どの金利タイプにおいても、「金利が低くなるから」がトップに挙がっています。特に、変動金利型では66.3%とほぼ3人に2人に達しています
 2位は「返済額が少なくなるから」で、こちらは全期間固定金利型が47.2%で、変動金利型は42.8%、固定期間選択型が36.8%という結果でした。
 また、3位には、「適用金利が上昇し、返済額が増加するから」が挙がっていて、固定期間選択型と全期間固定金利型に借り換えた人で、この支持率が高くなっています。
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●変動金利型は1.0%超低下が25.3%に
 では、実際にどれくらい金利が下がったのでしょうか。図表3をご覧ください。
 どの金利タイプでも最も多かったのが、「0.5%超1.0%以下の低下」です。変動金利型で28.0%、固定期間選択型で21.3%、全期間固定金利型で24.8%に達しています。
 1.0%超の低下とした人も少なくありません。変動金利型は「1.0%超2.0%以下の低下」が18.7%で、「2.0%超の低下」が6.6%ですから、合計25.3%、つまり4人に1人以上が、金利が1.0%超低くなっているのです。

●固定期間選択型でも1.0%超低下が25.0%
 固定期間選択型では、「1.0%超2.0%以下の低下」が17.5%で、「2.0%超の低下」が7.5%でした。1.0%超の低下割合の合計が25.0%に達しています。1.0%超の低下の割合は若干ですが変動金利型より小さくなっています。
 全期間固定金利型はこの1.0%超の低下の合計は15.2%にとどまります。金利水準をみると、全期間固定金利型は変動金利型や固定期間選択型の固定期間の短いタイプに比べるとやや高めですから、どうしても金利の低下幅が小さくなるようです。

●借換えで金利が上昇したという人もいる
 一方では、「金利上昇」とする人もいます。変動金利型への借換えでは4.9%ですが、固定期間選択型では13.6%、全期間固定金利型は8.8%という結果でした。固定期間選択型の固定期間の長いタイプ、全期間固定金利型などの金利上昇リスクの小さい金利タイプに借り換えることで、金利が高くなった人もいるようです。
 多少金利が高くなっても、この超低金利の時期に完済までの金利をフィックスできれば安心感が高まるので、いまの時期に実行しておこうということでしょう。
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●月額1万円以上の負担軽減が2割前後に
 金利低下による返済額軽減効果も大きいようです。図表4にあるように、どの金利タイプへの借換えにおいても、借換えによって負担が軽くなったとしています。
 借換え前に比べて「1万円超の軽減」とする人は、変動金利型で20.8%、固定期間選択型で23.1%、最も金利の高い全期間固定金利型でも18.4%に達しています。
 ただ、「返済額変化なし」「返済額増加」も少なくありません。変動金利型では合計44.0%で、固定期間選択型は38.6%、全期間固定金利型では41.6%という結果でした。

●借換え後に残りの返済期間短縮も
 このなかには、借換えによって金利が下がるのをうまく活用して、残りの返済期間を短縮したという人たちが多いのではないでしょうか。その場合、当面の返済額には変化がなかったり、多少増えたりしても、返済期間短縮によって完済まで総返済額はかなり減っているのではないかと推測されます。
 実際、変動金利型への借換えの人たちのうち借換え後の返済期間が「10年未満」とする人が8.6%、固定期間選択型で11.1%あります。
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●返済額減少分は生活費や教育費に充てる
 返済額が減少した場合には、そのお金を何に使っているのでしょうか。その結果が図表5です。
 トップは、「生活費に充てた」で、どの金利タイプの人でも50%台の高い支持率です。次いで、「教育資金に充てた」が、いずれの金利タイプでも20%台、そして「貯蓄(住宅リフォーム資金以外)」が10%台の後半という結果でした。
 せっかくの軽減効果ですから、子どもの教育、将来に備える貯蓄など、前向きに活用していただきたいものです。

posted by ky at 08:57| 住宅ローン

2019年08月15日

2019年1月〜3月期の住宅ローン貸出残高は前年同期比2.6%の増加に

 住宅金融支援機構が2019年8月9日、『2019年1-3月期及び2018年度の業態別の住宅ローン新規貸出額と貸出残高』を発表しました。1-3月期の新規貸出残高は前年同期比で2.6%の増加でしたが、2018年度の年間では2.0%の減少となりました。

●18年度1年間では前年度比2.0%の減少に
 住宅金融支援機構では、1989年度から日本銀行統計に加え、各業界団体等の協力を得て、業態別の住宅ローン新規貸出額及び貸出残高をまとめています。その最新の『2019年1-3月期及び2018年度の業態別の住宅ローン新規貸出額と貸出残高』が、19年8月9日に発表されました。
 一覧表にあるように、1-3月期の新規貸出額は前年同期比で2.6%増えたものの、2018年4月から19年3月までの18年度1年間では、前年度比2.0%の減少になりました。

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●労働金庫は前年同期比で二桁台の伸びを確保
 19年1-3月期の新規貸出額は6兆0172億円で、18年1-3月期の5兆8650億円から2.6%の増加です。
 業態別にみると、最も多いのは国内銀行の4兆2757億円で、貸出額全体の71.1%を占めて圧倒的なシェアを維持しています。前年同期比では2.2%の増加でした。
 次いで多いのが住宅金融支援機構(買取債権)の6188億円、労働金庫の5272億円で、信用金庫が3941億円となっています。このなかでは、労働金庫が前年同期比15.4%の増加と気を吐いています。

●住宅金融専門会社が前年同期比57.2%増
 以上に次ぐのが、住宅金融専門会社です。19年1-3月期の住宅金融専門会社の新規貸出額は1042億円と、さほどシェアは高くないのですが、前年同期比は57.2%の増加と大きく躍進しています。労働金庫、信用金庫に比べるとまだようやく四半期で1000億円を超えるレベルですが、ジワジワと両金庫に迫る勢いをみせているといっていいでしょう。
 住宅金融専門会社は、住宅金融支援機構との提携商品であるフラット35(買取型)が主流ですが、最近では、フラット35(保証型)を扱う機関も増えて、着実に実績を拡大しつつあります。

●18年度の資金貸出額は前年度比で2.0%の減少
 次に、2018年4月から19年3月までの18年度1年間の実績をみると、新規貸出額は20兆9128億円で、17年度の21兆3329億円に対して前年度比2.0%の減少となりました。
 16年度、17年度は、住宅ローン金利がかつてない超低金利となったことで、借換えを中心に新規貸出が急増しましたが、18年度にはそれも落ち着いて、前年度比は若干のマイナスになったようです。

●銀行や信用金庫・組合は軒並み前年度割れに
 業態別にみると、最も多いのは国内銀行の14兆4086億円で、以下、住宅金融支援機構(買取債権)の2兆2732億円、労働金庫2兆0141億円、信用金庫1兆5495億円などとなっています。
 前年度比をみると、最も伸びたのは住宅金融専門会社の46.3%で、次いで労働金庫13.8%でしたが、その他の業態はマイナスとなっています。特にマイナスが大きかったのは、生命保険会社11.1%、住宅金融支援機構(直接融資)10.1%、住宅金融支援機構(買取債権)と信用金庫が9.6%の減少などとなっています。
 国内銀行も2.3%の減少で、国内銀行、信用金庫・組合など既存の金融機関の落込みが目立っています。




posted by ky at 09:18| 住宅ローン