2016年12月18日

2017年の住宅トレンド「リビ充家族」って何?

 リクルートが住まい、社会人学習、進学、美容など分野別に「2017年のトレンド予測」を発表しました。
 その住まい領域におけるキーワードは「リビ充家族」。リビングを最大限に広げて、空間は共有しつつも、家族それぞれが好きな形で充実した時間を過ごすライフスタイルといったイメージのようです。
 なぜなのか−−その理由をひもとくと、大都市部での何やら切ない住宅事情が透けて見えそうです。

●マンション選びで譲れないのは「リビングの広さ」
 リクルート住まいカンパニーによる「マンション購入家族の暮らし方調査」によると、マンション選びにおいて妥協したくない項目のトップは「リビングの広さ」の68.2%でした。それに対して、「個室の部屋数の多さ」は30.5%、「主寝室の広さ」21.6%、「玄関の広さ」14.1%などとなっています。広さを重視する場所としては、リビングが断絶のトップなのです。
これは、家族のなかにおけるプライベートよりパブリック重視ということなのでしょう。家族のコミュニケーションの希薄化による絆の弱まり、家族崩壊へのアンチテーゼといってもいいかもしれません。
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●個々のスペースを確保できない現実への対応
 大都市部のマンションを中心に価格が大幅に上昇し、平均的な会社員ではなかなか希望の広さの住まいを手に入れられなくなっているという現実があります。そのなかで、いかに家族が快適に暮らしていくのか、そのひとつの妥協点としての「リビ充家族」という見方もできそうです。
 より積極的にコミュニケーションを重視していこうというのならいいのですが、やむなくそうせざるを得ないという側面も強いのではないでしょうか。
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●リビングで過ごす時間が長くなっている
 とはいえ、実際にリビングで過ごす時間が長くなっているのは事実です。グラフにあるように、自宅で起きている時間のうち、妻は84.9%をリビングで過ごし、夫でさえ73.0%に達しています。
 いまどきの子どもたちは、自室にこもっていると思いがちですが、実はそんなことはありません。未就学児が87.9%リビングで過ごすのは想定内でしょうが、小学生も76.1%、中学生も57.2%をリビングに滞在、高校生でさえ45.6%はリビングというのですから、けっこう家族といっしょにいる時間が長いのです。

●リビングでの過ごし方も多様化している
 そのリビングで何をするのでしょうか。「テレビを見る」「食事をする」といった従来の過ごし方だけではなく、「スマホ・タブレット・携帯を使う」「電話をかける」「PCを使う」「仕事をする」「読書をする」などこれまでは個室で行ってきたことを、リビングで行うようになっています。
 なかには、「子どもと遊ぶ」「子どもの宿題や勉強を手伝う」といった親子の時間を楽しんだり、「メイク・ボディケアをする」「音楽を聴く」「その趣味を楽しむ」といった人たちも少なくありません。
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●何でもありだから広い空間が必要になる
 このように、何でもリビングでこなし、楽しむためには、それなりの広さが求められます。その分、個室については多少狭くなっても仕方がないと諦めているのでしょう、というより諦めざるを得ないのでしょう。
 例の間取りにみられるように、複数の子どもがいても個室を与えないケースが増えています。かつてであれば、親の居室、リビングなどのパブリックを犠牲にしても個室を与えるという発想が当たり前でしたが、大きく変わっているようです。

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●家で仕事をする人も増えている
 最近は、働き方も多様化していて、在宅勤務、リモートワークを採用する企業が増えています。夫はリビングで仕事をし、妻は家事、子どもは勉強――そしてその後は家族で食事したり、遊んだりとリビングでの過ごし方も時間によって刻々と変化します。
 そんな変化に対応して、リビングでは多機能化が求められています。今後のマンションのプランニングなどでも、そうした点を考慮した物件が増えてくるのではないでしょうか。
「リビ充家族」は大都市部の住宅事情に対応した生活者の知恵ということでしょうが、結果的にリビングを通して家族のコミュニケーションが進み、絆が深まっていくとすれば、それはたいへんいいことではないでしょうか。






posted by ky at 09:28| Comment(0) | マイホーム

2015年11月09日

家庭の金融資産が3年連続増加して1200万円台に

 金融広報中央委員会が、『家計の金融行動に関する世論調査(二人世帯以上世帯調査)』を公表しました。貯蓄などの金融資産は3年連続して増加しましたが、その分格差も広がっているようです。

●平均1200万円台でも中央値は400万円
 2015年の全世帯の金融資産の平均は1209万円でした。前年は1182万円でしたから、前年比2.3%の増加で、初めて1200万円台に乗せたことになります。
 平均値は多額の資産を持っている人たちに引っ張られるので、資産額の分布からみてちょうど真ん中にあたる中央値は400万円。金融資産が400万円以上の家庭と400万円未満の家庭がほぼ同じ数になるということです。
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●金融資産のある家庭だけの平均は1800万円台に
 この調査では、日常的に出し入れする部分は除いて、運用のためや将来に備えた蓄えのみを「金融資産」と定義しています。その金融資産がない家庭は30.9%で、残りのほぼ7割の家庭が金融資産を有していて、その金融資産のある家庭だけでみれば平均は1819万円台に増えます。この場合の中央値は1000万円でした。
 この金融資産のある家庭で、資産が前年に比べて増えたかどうかを聞いたところ、「増えた」が30.1%で、「減った」は26.2%でした。久しぶりに「増えた」が「減った」を上回ったのですが、それが賃金アップなどによるものか、先行き不安のための家計防衛のために貯蓄を積みましているのか、気になるところです。
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●金融資産が「増えた」のは年収500万円以上
 金融資産の増減を年収別にみると、年収500万円未満では「減った」のほうが多く、「増えた」ほうが多いのは500万円以上の世帯に限られます。
 もちろん、年収が高くなるほど、「増えた」とする割合が高くなります。年収の多い家庭では資産が増えるものの、年収の少ない家庭では資産が減るばかり――年収による資産格差がいっそう拡大していることが浮き彫りになりました。                      ※クリックで拡大できます。

●住宅ローン借入額の平均は1300万円
 一方、借入金についてみると、借入金のある世帯の割合は39.2%で、前年と比べてさほど大きな変化はありません。
 借入金のある世帯の借入金平均額は1456万円で、そのうち1300万円が住宅ローンで、借入額の大半を占めています。そのため、借入目的では、「住宅の取得または増改築などの資金」とする世帯が64.7%と断然のトップになっています。

●10年以内の取得を予定する人が14.5%
 マイホームの取得にはどうしても住宅ローンの借り入れが必要になりますが、借り入れを行ってでも取得したいと考える人が少なくないようです。
 下にあるように、少子化の結果、親から家をもらえる人が増えていることもあり、半数以上の人がマイホーム取得計画を持っていませんが、それでも「今後3年以内」にマイホームの取得を考えている人が7.5%いて、「5年以内」「10年以内」を合わせると20.7%に達します。10年以内に2割強の人が取得を予定しているという数字は、この数年ほとんど変化がありません。
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●取得資金の3分の2は住宅ローンを予定
 では、取得金額の予定はどうなのでしょうか。
 平均では必要資金を3242万円と考え、そのうち1202万円は自己資金を用意し、残りの2040万円を住宅ローンで調達したいと考えています。
 住宅価格には地域差などが大きいでしょうが、全体的に3000万円強の住宅を、自己資金3分の1、住宅ローン3分の2で手に入れたい――そう考えている人が多いといっていいでしょう。

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◆「Business Journal」で山下の連載が始まりました!
 ビジネスパーソン向けのニュース情報サイト「Business Journal」で、2015年11月7日から『住宅ジャーナリスト・山下和之の目』がスタートしました。「企業・業界」の欄に掲載され、第1弾は「欠陥マンションを購入しない方法」です。
 これから住宅・不動産分野の新情報に関して、月に2、3本のペースで新たな記事を掲載していく予定。お時間のある折りにでもチェックしてみてください。
 Business Journal :http://biz-journal.jp/2015/11/post_12296.html






posted by ky at 09:40| Comment(0) | マイホーム

2015年10月06日

親友へ「新築祝い」「引っ越し祝い」は1万円以下が大半

 オウチーノ編集部が行った「お祝いごと」に関するアンケート調査に、「新築祝い」「引っ越し祝い」が含まれています。ほかのお祝いごとにくらべて優先順位などはどうなのでしょうか。

●親友・仲の良い友人でも3割はお祝いなし
 一戸建てやマンションを購入したり、家を建てた人への「新築祝い」「引っ越し祝い」を行っているかを聞くと、「親友・仲の良い友人」に対しては、「何も贈らなかった」は30.3%で、残りのほぼ7割の人はお祝いをしているという結果でした。
 金額は、「〜5000円の品物」が25.0%と最も多く、次いで「5001円〜1万円の品物」が12.7%、「5001円〜1万円の現金」12.3%、「〜5000円の現金」11.4%という結果でした。1万円以下の現金や品物というケースが大半のようです。
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●単なる知人や親戚は贈らない人が増える
 相手が単なる「知人」になると、「贈らなかった」が36.9%に、「親戚」の場合は36.0%に増えます。親友や仲の良い友人より、6ポイントほど高くなります。
 贈った人の金額をみると、「親戚」では5000円までの現金・品物の割合は若干低下します。親戚が相手になると、贈る以上はある程度の金額でないと身内に対してもカッコがつかないということでしょうか。

●結婚祝いや出産祝いに比べると贈る割合が低い
 なお、結婚したときのお祝いについて、相手が「親友・仲の良い友人」であった場合には、「贈らなかった」とする割合は6.6%に低下します。「親戚」でも「贈らなかった」は12.6%です。
 同様に出産祝いについても、「親友・仲の良い友人」については「贈らなかった」は11.9%で、「親戚」は19.3%です。
 新築祝いに比べるとお祝いを贈った人の割合は格段に高くなります。

●人生のなかでのプライオリティを反映?
 金額についても「親友・仲の良い友人」の結婚の場合、「2万円〜3万円の現金」が最も多く、新築祝いとはかなりの違いがみられます。
 マイホームの購入や新築は、人生でも最大の買物ですが、結婚や出産などの一大イベントに比べるとプライオリティは高くないということでしょうか。

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posted by ky at 21:01| Comment(0) | マイホーム