2019年10月30日

19年7月〜9月期のフラット35申請件数が前年同期比で1割以上の増加

 2019年10月19日、住宅金融支援機構が19年7月〜9月期のフラット35申請件数などを発表しました。全体としては超低金利を反映して前年同期比で1割以上増えており、なかでも保証型の増加が一際目立っています。

●マンション価格上昇を反映して実績金額大幅拡大
 住宅金融支援機構によると、図表1にあるように2019年7月〜9月のフラット35申請戸数は3万1591戸で、前年同期比で11.6%の増加でした。今年に入って再び金利が低下していることもあって、順調に申請が増えているようです。
 なかでも、注目していただきたいのが、実績金額。前年同期に比べて1000億円以上、17.8%も増えています。それだけ首都圏を中心にマンション価格などが上がっていることを示しているといっていいでしょう。

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●フラット35買取型申請戸数増加率は一桁台に
 このフラット35には、民間金融機関が融資した債権を住宅金融支援機構が買い取る、「買取型」と、民間金融機関の融資を住宅金融支援機構が保証する「保証型」があります。保証型は比較的新しく、まだ実施している金融機関はさほど多くないのですが、買取型に比べて金利が低いこともあって、大幅に増加しています。
 まず、買取型だけをみると、図表2にあるように、申請件数は前年同期比で7.6%の増加にとどまっています。実績金額は12.4%と二桁の増加ですが、全体に比べると伸び率はやや低い水準にとどまっています。

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●保証型は買取型に比べて金利が低いメリット
 代わって大きく増加しているのが、保証型です。図表3にあるように、申請戸数レベルでは4781戸と買取型の15.1%にとどまっていますが、前年同期比をみると41.2%の増加になっています。前年同期は13.6%でしたから、フラット35におけるシェアも着実に拡大しています。
 保証型は、買取型に比べると自己資金割合2割以上などと条件が厳しくなる反面、金利はかなり低めに設定されています。自己資金、年収などにゆとりのある層を中心に、注目度が高まっているようです。

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●現段階の保証型実施機関は6社にとどまる
 この保証型を実施しているのは、19年10月現在、日本住宅ローン、アルヒ、財形住宅金融、広島銀行、クレディセゾン、住信SBIネット銀行の6社だけです。買取型はほとんどの金融機関が実施しているのに対して、保証型は極めて少数派なのですが、この勢いで増加していけば、他の金融機関もいずれは追随せざるを得なくなるでしょう。
 そうなると、保証型の利用が大幅に増加して、やがては買取型に肉薄することになるのではないでしょうか。



posted by ky at 09:35| フラット35

2019年10月09日

10月から1億円以上の物件でもフラット35を利用できるようになった!

 住宅金融支援機構では、例年10月1日から各種の制度の改訂を行っています。今年もフラット35を利用できる価格条件の「1億円以下」を撤廃するなどの変更が行われました。主な変更点は以下の通りです。

@地域活性化型の対象事業を拡大する
 地域活性化について積極的な取組みを行っている地方公共団体と住宅金融支援機構が連携、住宅取得時の公共団体の補助金などと合わせて、フラット35の金利を一定期間0.25%引き下げる制度があります。
 この制度の子育て支援型では、UIJターン、コンパクトシティ形成、空き家活用が対象でしたが、10月1日以降は「防災対策」も対象になりました。
 また、「地方移住支援」が追加され、こちらの金利引下げ幅は0.30%となります。

A建設費・購入価額の上限1億円の制限がなくなる
 フラット35の融資対象となる住宅の建設費、購入価額はこれまで1億円を上限としてきましたが、この制限がなくなりました。つまり、1億円以上の住宅でもフラット35を利用できるようになったわけです。
 ただし、融資限度額は8000万円以下で変更はありません。つまり、1億円以上の高額物件を買う場合には、それなりの自己資金が必要ということになります。




Bフラット35(買取型)の融資率9割超の金利を引き下げる
 フラット35の金利は、融資率が9割超の場合には、9割以下である場合の金利に0.44%上乗せされましたが、この上乗せ金利を0.26%に引き下げます。
 19年10月の返済期間35年の最低金利は1.11%ですから、融資割合が9割を超える場合には、そこに0.44%上乗せされて1.55%なったのですが、今後は0.26%の上乗せで1.37%で利用できることになります。

Cフラット50の融資率上限の引上げなど
 最長返済期間50年までOKのフラット50。これまでは融資率の上限が6割だったのを9割に引き上げると同時に、融資額の上限が6000万円から8000万円に引き上げられます。ほぼフラット35の条件と同じになったわけです。

D中古住宅の「適合証明書」の取得を省略できる物件を拡大する
 フラット35で中古住宅を取得する場合には、「適合証明書」の提出が欠かせません。それが、以下の条件を満たせば、必要なくなります。
・新築時に長期優良住宅の認定を受けた住宅(築年数20年以内)
・安心R住宅でかつ新築時にフラット35を利用した住宅
・築年数10年以内で、新築時にフラット35を利用した住宅
・中古マンションらくらくフラット35に該当する住宅
・団体登録住宅で、フラット35の基準に適合していることをあらかじめ確認した住宅
 (団体登録は現在のところ優良住宅ストック住宅推進協議会のみ)
 以上に該当すれば、手続きがラクになるだけではなく、「適合証明書」の発行費用、数万円を節約できるようになるのもメリットでしょう。



posted by ky at 09:02| フラット35

2019年07月28日

フラット35申請件数全体は微増も「保証型」は前年比3割の増加

 2019年7月16日、住宅金融支援機構が、19年4月〜6月のフラット35申請戸数等を発表しました。超低金利が続いているなかで、申請件数全体は横ばいに近い微増ながら、「保証型」に限れば前年同期比で3割近い増加となっています。

●フラット35の借換え需要はほぼ一巡か
 住宅金融支援機構によると、19年4月〜6月のフラット35申請件数全体は3万0901戸で、18年4月〜6月の3万0136戸に対して、2.5%の増加となりました。
 この3万0901戸のうち、借換えを除いた申請戸数は2万9467戸で、こちらは前年同期比で5.1%の増加です。借換えによる申請戸数は1434戸で、全体の4.6%にとどまります。
 16年から17年にかけては、フラット35の金利が過去最低水準まで下がったこともあって借換えが急増しましたが、その借換えも18年までで一巡、最近では落ち着いた動きが続いています。

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●年間では17年度並みの12万戸の水準確保か
 四半期ベースで約3万戸ということは、年間にすれば約12万戸に達します。
 年度別にみると、17年度の申請戸数は12万0984戸に対して、18年度は11万4665戸と前年度比5.2%の減少でした。17年度までは先に触れたように借換え需要が強かったのですが、18年度には一巡して全体の申請戸数がやや減少してしまったわけです。
 しかし、借換え需要で減少しているなかでも、年間12万戸ペースを確保しているわけですから、この分でいけば19年度の申請戸数は、ほぼ17年度の数値を確保できるのではないかとみられます。

●フラット35には「買取型」と「保証型」がある
 このフラット35には、「買取型」と「保証型」があります。「買取型」は、民間機関が実行した融資の債権を住宅金融支援機構が買い取る仕組み。ですから、民間金融機関にとってはローン破綻などのリスクがないのですが、その分、金利は住宅金融支援機構の提示金利に基づいているため、利ざやを稼ぐメリットはほとんどなく、手数料収入がメインになります。
 それに対して、「保証型」は民間機関が実行する融資について住宅金融支援機構が保証を行う仕組み。民間機関は独自に金利を設定して利ざやを確保できますが、その分、利用者のローン破綻などが発生したときにはリスクが生じます。

●利用者にとっては「保証型」の金利が低いメリット
 適用金利は、「買取型」は住宅金融支援機構が提示する金利に基づいているので、「保証型」に比べてやや高めなっています。つまり、利用者からみれば民間機関が独自に金利設定できる「保証型」のほうが低い金利で利用できるメリットがあるわけです。
 たとえば、日本住宅ローンの場合、19年7月の金利は、自己資金2割以上の場合には、事務手数料が定率制だと0.83%です。通常のフラット35は定率制が1.18%ですから、かなり低い金利で利用できます。
 ただ、その分民間機関にはとってはリスクがありますから、自己資金が20%以上あることなど、条件を厳しく設定しているところが多くなっています。

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●「買取型」は331機関に対して「保証型」は6機関
 この「保証型」、「買取型」がほとんどの金融機関で実施されているのに対して、まだ取扱い機関が限定されています。「買取型」はノーリスクなのに対して、「保証型」にはリスクがありますから、やはり安全策をとって「買取型」を優先する金融機関が多いわけです。
 住宅金融支援機構によると、19年7月現在、「買取型」のフラット35を実施している機関は331機関に達しますが、「保証型」は先の日本住宅ローン、アルヒなど6機関にとどまっています。

●「保証型」は前年同期比で29.0%の増加
 ただ、それでも「保証型」の利用者がジワジワと増えています。19年4月〜6月のフラット35全体の申請件数は前年比2.5%の増加でしたが、「買取型」と「保証型」に分けると明暗がハッキリしています。「買取型」は前年同期比0.1%のマイナスに対して、「保証型」の増加率は29.0%に達しているのです。
「保証型」の母数は3509戸とまだまだ少ないのですが、着実に存在感を高めています。その動向をシッカリと注目しておいたほうがよさそうです。



posted by ky at 11:19| フラット35