2019年01月08日

フラット35申請件数のうちフラット35Sの割合が9割に近づく

 本欄の2018年1月4日付け記事でもお伝えしたように、フラット35の金利が再び過去最低水準に近づいています。この機会に、超低金利を完済まで確定できるフラット35で、マイホームを取得しておきたいところ。その際には、当初の金利が一段と低くなるフラット35Sの活用を忘れないようにしてください。

●フラット35の金利が過去採水水準に低下
 2018年12月下旬から長期金利が急速に低下したこともあって、19年1月のフラット35の金利が一段と下がりました。
 フラット35の金利は取扱金融機関によって異なり、さらに返済期間によっても違っています。そこで、返済期間21年〜35年の最低・最頻金利をみると図表1にあるように1.33%となっています。直近で最も高かった18年11月の1.45%から、わずか2か月で0.12%下がったわけです。
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●金利低下で35年間の総返済額は73万円も減少
 この金利低下のメリットを借入額3000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしで試算すると、18年10月の金利1.45%だと毎月返済額は9万1122円で、35年間の総返済額は約3827万円です。
 それが19年1月の1.33%に下がると、毎月返済額は8万9377円に減少、35年間の総返済額は約3754万円です。1.45%に比べると月額にして1745円、35年間の合計では約73万円も負担が軽減される計算です。
住宅ローンの金利低下メリットは、想像以上に大きいといっていいでしょう。

●さらにメリットが大きくなるフラット35S
 このフラット35には、当初5年間または10年間の金利が0.25%低くなる、「フラット35S」と呼ばれる制度があります。質の高い住宅に関して金利を優遇、わが国の住宅全体のレベルの底上げを図ろうとする目的で、国の予算によって金利が引き下げられているのです。
 また、フラット35Sには、当初10年間金利が引き下げられる金利Aプラン、当初5年間金利引下げの金利Bプランがあります。図表2は金利Aプランの対象になる住宅で、金利Bプランはこれより若干基準が緩くなり、たとえば、金利Aプランが耐震等級3以上であるのに対して、金利Bプランは耐震等級2以上でOKになっています。
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●フラット35Sの割合が9割近いレベルまで増加
 金利AプランもBプランも6つの条件のうち、いずれかひとつを満たせばいいので、決して難しいものではありません。
 実際、住宅金融支援機構によると、図表3にあるように、18年12月のフラット35申請件数のうち、88.4%をフラット35Sが占めています。フラット35の申請件数の大半はフラット35Sなのです。
 フラット35Sを利用できるのは新規に取得した住宅のためのローンに限られ、借換えには適用されません。したがって、フラット35の申請件数から借換え分を除いた、新規購入に伴うフラット35申請件数のほとんどが、フラット35Sとみていいのではないでしょうか。
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●当初10年間は1.08%で借りることができる
 上にみたように、19年1月のフラット35の金利は返済期間21年〜35年で1.33%です。それが、フラット35Sだと、当初10年間は0.25%を差し引いた1.08%になります。
 民間金融機関の固定期間選択型の10年固定は1%前後のところが多いので、それとほぼ同じ水準で全期間固定金利型を借りることができるわけです。11年目以降は金利が本来の1.33%に戻ることになりますが、それでも金利は確定しているので、10年の間に市中の金利が上がっていても1.33%で変わることはありません。
 民間の固定期間選択型だと、10年後に金利が上がっていれば、返済額が大幅に増加するリスクがあります。現在のような超低金利下では、長い目でみれば金利上昇の可能性が高いだけに、この点はたいへん大きな安心材料です。

●当初10年間は年間4万円以上の軽減効果
 では、このフラット35Sにはどれくらいのメリットがあるのでしょうか。借入額3000万円、35年元利均等・ボーナスなしで試算したのが図表4です。
 一般のフラット35だと当初の毎月返済額は8万9377円ですが、金利が0.25%引き下げられるフラット35Sでは8万5808円に減少します。月々3569円、年間にすれば4万円以上の減額ですから、マイホーム購入当初の何かと物入りな時期にはたいへんありがたい制度ではないでしょうか。

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●35年間の総返済額は72万円も少なくなる
 当初10年間の金利が低くなるため、一般のフラット35に比べて元金の減り方が早くなって、11年目以降に本来の1.33%の金利に戻っても、一般のフラット35に比べて毎月返済額は977円少なくなります。
 その結果、35年間の総返済額を比較すると、一般のフラット35が約3754万円に対して、フラット35Sなら約3682万円にダウンします。つまり、35年間の総返済額でみれば約72万円もトクできる計算です。
 これからマイホームの取得を考えている人は、ぜひフラット35Sを活用して、より有利に安全に住宅ローンを利用していただきたいところです。

●19年度も金利引下げは継続される見込み
 このフラット35Sは、現在のところ19年3月末までの時限措置ですが、住宅金融支援機構の担当者によると、「19年度も継続される見込みです」とのことです。
 ただ、対象条件や金利引下げ内容などは新年度に入ると若干変更される可能性もあります。そうした点を含めて、住宅金融支援機構のホームページを定期的にチェックして、どうなるのかを確認しておくのがいいでしょう。
 もしも変更などがあれば、本欄でもできるだけ早く内容を紹介したいと思っていますので、ぜひご覧ください。




posted by ky at 09:55| フラット35S

2018年10月09日

10月のフラット35申請件数は前年比21.6%の大幅な減少

 ひところの超低金利から若干金利が上昇したこともあって、このところフラット35の申請件数が停滞気味です。9月の申請件数は前年に比べて2割以上も減少しました。

●このところは右肩下がりの減少傾向続く
 住宅金融支援機構によると、2018年9月のフラット35申請件数は8853件でした。17年9月は1万1293件だったので、前年比では21.6%の大幅な減少になります。グラフにあるように、今年に入って4月までは増加傾向だったのが、その後はジワジワと減少して、右肩下がりになっています。
 このところやや金利が上昇傾向にあること、首都圏を中心に新築マンションの契約率が低下していることなどが影響しているのでしょうか。

●フラット35Sの割合が85.4%に達する
 8月の申請件数8853件のうち、フラット35Sが7562件に達しています。フラット35に占めるフラット35Sの割合は85.4%です。フラット35を利用する人たちの大半はフラット35Sを利用していることになります。
 このフラット35Sの割合、16年のマイナス金利政策導入後の金利下後、超低金利によってフラット35申請件数が急増しました。その増加分の大半は借換えでしたが、実は、フラット35は借換えがOKでも、フラット35Sは借換えには利用できません。

●借換えにはフラット35Sは利用できない
 フラット35Sの金利引下げは国の予算によって実施されているものであり、あくまでも優良な住宅を取得するための資金であることが前提になります。金利の低下を狙った借換えには適用されないのです。
 金利低下時のフラット35申請件数の増加の大半は借換えによるものであり、その結果借換えに利用できないフラット35Sの割合は低下してしまいました。16年4月には51.1%まで下がり、その後しばらくは5割台が続いたのです。

●以前にはフラット35Sが9割近くに達したことも
 その借換えニーズが16年末にはほぼ一巡、それによってフラット35全体の申込み数が減少して、フラット35Sの申請件数はさほど減っていないので、相対的にフラット35Sの割合が高まってきました。その結果、18年8月にはフラット35Sの割合が85.4%に回復したわけです。
 とはいえ、借換え急増以前の15年12月にはフラット35Sは87.7%、16年1月には88.1%と9割近くに達していました。それに比べると、9月の実績は80%台半ばですから、まだ多少フラット35Sの割合増加の余地がありそうです。

●フラット35Sの対象になる住宅とは?
 このフラット35S、@省エネルギー性に優れた住宅、Aバリアフリー性に優れた住宅、B耐震性に優れた住宅、C耐久性・可変性に優れた住宅――のいずれかひとつを満たすことが条件。技術水準によって、当初5年間または10年間の金利が0.25%引き下げられます。
 18年10月のフラット35の返済期間21年〜35年の金利は1.41%ですが、フラット35Sなら、それが最長10年間1.16%に引き下げられることになります。

●11年目からの返済額も少なくてすむ
 借入額3000万円、35年元利均等・ボーナス返済なしで試算すると、金利1.41%の通常のフラット35だと、毎月の返済額は9万0538円で、これが35年間変わらないので総返済額は約3803万円になります
 それが、フラット35Sの適用を受けて、当初10年間の金利が1.16%に引き下げられると、返済額は8万6941円に減少します。11年目からは1.41%になりますが、当初の金利が低い分元金の減り方が早くなって、11年目以降の返済額は8万9557円と通常のフラット35より少なくてすみます。

●35年間の総返済額は約73万円も減少
 当初10年間は通常のフラット35に比べて3597円軽減され、11年目以降も981円の負担の軽減です。
 その結果35年間の総返済額でみるフラット35Sは約3730万円に減少します。通常のフラット35の約3803万円に比べると73万円も負担が軽減される計算です。
 フラット35を利用するなら、ぜひともフラット35Sを利用できる物件を選択、できるだけ負担を軽くしたいものです。




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2018年05月08日

フラット35Sがフラット35申請件数の9割に近づきつつある!

 住宅金融支援機構と民間機関が提携して実施されているフラット35。全期間固定金利型で完済まで金利が変わらず、安心して利用できるローンです。現在の金利水準は民間に比べて若干高くなっていますが、フラット35Sを利用すれば、そんなことはなくなります。

●フラット35には金利引き下げ制度がある
 2018年5月のフラット35の金利は返済期間15年〜20年が1.30%で、21年〜35年が1.35%です。民間金融機関のなかでも、図表1にあるようにみずほ銀行は20年返済で1.24%、35年返済で1.30%ですから、むしろ民間より高くなっています。
 だったら、民間ローンで十分じゃないかということになりますが、実はフラット35には、フラット35Sなどと呼ばれる金利引き下げ制度があるのです。これらを利用すれば、民間より格段に有利になります。

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●当初5年・10年の金利が0.25%低くなる
 最も多くの人が利用しているのが、フラット35Sです。これは、省エネ性、耐震性、バリアフリー性などに優れた住宅に適用されるもので、よりレベルの高い住宅は当初10年間、次にレベルの高いものは当初5年間、金利が0.25%引き下げられます。それだけでも、当初5年は返済機関35年でも1.10%になって、民間よりかなり低い水準になります。
 さらに、昨年度からフラット35子育て支援型・地域活性化型の引き下げも実施されています。これは、子育て支援などに力を入れている自治体と提携して金利を引き下げる制度で、当初5年間、0.25%の引き下げになります。

●最大で0.50%の金利引き下げもある
 このフラット35子育て支援型の金利引き下げは、フラット35Sの金利引き下げと併用できるのがミソ。したがって、当初5年間はフラット35Sの0.25%に加えて子育て支援型の0.25%を加えて合計0.50%の引上げ幅になります。
 さらに、中古住宅を取得する場合、リノベーションされた住宅を買うか、中古住宅を買って自分でリノベーションするときにはフラット35リノベを利用できます。こちらは、当初5年または10年間0.50%の引き下げです。

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●フラット35利用者の8割以上が利用
 こうしてみると、そんなに有利なローンだと、条件が厳しいのではないかという人がいるかもしれません。たしかに、フラット35リノベやフラット35子育て支援型などはリノベの条件が厳しかったり、提携している自治体がまだ少なくて、利用できないケースもあるのは事実です。
 でも、フラット35Sはそんなことはありません。図表2をご覧ください。2018年4月のフラット35申請件数は9876件ですが、そのうちフラット35Sの申込みが8499件を占めています。フラット35利用者のうち86.1%がフラット35Sを利用しているのです。

●フラット35Sを利用できない物件は眉唾?
 このフラット35S、新規の住宅取得時だけに利用できる制度で、借換えの申込みには適用されません。ですから、16年春からの日銀のマイナス金利政策導入後の大幅な金利低下の曲面では、借換えが急増してフラット35Sの割合が6割を切ったこともありました。
 フラット35Sの件数はさほど変化ないのに、借換えによってフラット35全体の申請件数が大幅に増加したため、フラット35Sの割合が急低下したわけです。

●一時はフラット35Sが9割を超えたことも
 でも、その直前には実はフラット35Sが9割を超えていたこともあったのです。その時期にも、フラット35Sを利用できない借換えの人もいたでしょうから、借換えを除いた新規の住宅取得に関してはほぼ100%の人がフラット35Sを利用しているといっても過言ではありません。
 それくらいフラット35を利用するなら、フラット35Sが当たり前なのです。逆にいえば、フラット35Sを利用できない物件は眉唾ものといってもいいほどです。
 これから住宅ローンの利用を考えている人なら、ぜひとも頭に入れておいていただきたい点です。



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