2019年11月10日

旭化成ホームズが「建物定期点検サービス60年間無償化」などの新たなサービス

 ヘーベルハウスの旭化成ホームズが、2019年度上半期の決算発表に合わせて、三つの新たなサービスをスタートさせました。前回取り上げたように、好調な決算を背景に他社とのいっそうの差別化を促進、ヘーベルハウスブランドのさらなる向上を目指すためのサービスのようです。

●従来の仕組みでは35年目以降の点検は有料
 新たな施策の一つ目は、「建物定期点検サービスの60年間無償化」です。図表にあるように、旭化成ホームズでは゛ヘーベルハウス、ヘーベルメゾンに関して、60年間の点検サービスを実施してきましたが、当初30年間は無料で実施するものの、次の30年間、図表のなかでブルーのラインで囲まれた部分は有料としてきました。
 そのため、有料に入る35年目以降の点検に関しては、点検実施率がダウンする傾向があり、点検システムが有効に機能しない状態に陥っていました。

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●オーナーとの連携強化でコストアップを吸収
 もちろん、60年間無料とすればそれだけコストアップ要因になります。より効率的に実施する体制を整備するにしても、ある程度のコストアップは避けられません。
 その点について、代表取締役社長・川畑文俊氏はこう説明しています。
「5年ごとに担当者がオーナーと接することで信頼関係、連携が深まり、たとえばリフォームニーズなどにつながるなどの売上げアップ効果が期待できます」
 さらに、将来的な建替えにつながる、売却する場合には仲介業務につながるなどの効果もあるでしょう。そうした点を見込んで、多少のコストアップは止むを得ないというでしょうか。

●ローン返済額を抑えられる「支払額軽減住宅ローン」
 新たなサービスの二つ目は、住宅ローンの返済額を抑えられる「支払額軽減住宅ローン」の取扱いスタートです。預金連動型ローンなど、ユニークな商品開発で知られる新生銀行とともに開発した商品です。新生銀行サイドでは、「新生パワーセレクト」と呼んでいます。当面は、東京都と神奈川県の一部エリアでの取扱いになります。
 図表の例にあるように、たとえば、本来なら毎月20万円の支払いになる住宅ローンの返済額を17万4000円に抑えることができるようになります。

●元金の一定割合を最終回一括返済にできる
 なぜそんなことが可能なのか――。
 図表にあるように、土地・建物で合計7000万円の物件を自己資金500万円で買う場合、6500万円の借入額になりますが、そのうち一定額、この場合には1400万円を最終回一括返済元本とします。
 この1400万円分に関しては利息だけの支払いになり、毎月の元本返済分は5100万円に減少します。その結果、毎回の返済額が20万円から17万4000円に減るわけです。

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●いずれは売却予定などさまざまなニーズに対応
 この一括返済元本は、@売却によって完済する、A自己資金で完済する、B80歳まで返済期間を延長する、Cリバースモーゲージに切り換える――の四つの方法から選択できます。
 子どもの独立後は郊外や故郷に移りたいなど、いずれは売却を考えている人、そうでなくても、無理のない返済計画でマイホームを取得したい人、手元にできるだけ多くの資金を残しておきたいといった人など、さまざまなニーズに対応できそうです。

●査定額を上乗せする「ロングライフ買取保証」
 三つ目のサービスが「ロングライフ買取保証サービス」です。旭化成ホームズまたは旭化成不動産レジデンスが、一定の条件を満たすヘーベルハウスとその土地を、スムストック査定額に独自の加算を加えた査定額で仲介市場での販売活動を行います。
 その査定額によって仲介市場での販売を目指しますが、6か月間売れなかった場合、その査定額の上限90%で買い取る仕組みです。

●査定額の上乗せで他社商品との差別化を図る
 スムストックは、一般の住宅に比べて建物の評価が高まるため、そもそも査定価格が高くなることが多いのですが、それに築6年〜10年は5%、11年〜15年は10%、15年以降は15%の加算になります。スムストックの査定では、築年数が長くなると査定額が段階的に少なくなりますが、旭化成ホームズでは自社施工住宅への自信から、そこをあえて高く評価して、他社製品との差別化を図ろうということのようです。
 こうした仕組みを明確にしておくことで、将来への安心感が高まり、新築受注の促進効果が期待できるということなのでしょう。



posted by ky at 09:25| 住宅メーカー

2019年11月09日

旭化成ホームズ19年度上半期決算――売上高12.2%、営業利益23.9%の増収増益

 旭化成ホームズが2019年11月6日、2019年度上半期の決算を発表、11月7日、東京・神保町の本社で報道向けの説明会を開催しました。それによると、上半期の連結決算の売上高は12.2%、営業利益が23.9%の増収増益の好決算でした。

●マンションなどの不動産部門はマイナスに
 旭化成ホームズの2019年度上半期の連結決算の売上高は3049億円で、前年度比12.2%の増加でした。営業利益は301億円で、こちらは前年度比23.9%の大幅増加です。増収増益の好調な決算結果です。
 部門別の売上高をみると、ヘーベルハウスやヘーベルメゾンなどの旭化成ホームズの建築請負部門は1973億円で、12.4%の増加、マンションを中心とする旭化成不動産レジデンスの不動産部門は643億円で5.5%の減少、旭化成リフォームのリフォーム部門は320億円で17.5%の増加でした。

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●不動産部門も通期では増収増益を予想
 タイミング的に引渡し物件が少なかった不動産部門を除き、全体としてたいへん好調な数字を弾き出しています。
 その不動産部門も、下半期に引渡し物件が増加するため、通期ではプラスを確保できる見込みです。19年度通期の不動産部門の売上高は1555億円、前年度比14.8%の増加で、営業利益は175億円で、前年度比27.2%を予定しています。落込みは一時的なものにとどまります。むしろ19年度通期の決算を下支えする役割を果たしそうな見通しです。

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●低層一戸建ての1戸当たり単価は3332万円に
 建築請負部門のヘーベルハウスの一戸建てをみると、低層住宅が3280戸で1093億円の売上高でした。1戸当たりの単価を単純計算すると3332万円です。同じく中層住宅は1206戸で374億円なので、1戸当たり2877万円でした。
 中層住宅は、賃貸住宅などの併用住宅が多くなっていることもあってか、1戸当たり単価はやや低くなります。

●19年度通期の予想は上半期に比べて伸び率鈍化
 19年度の通期の予想をみると、連結決算の売上高は6700億円を見込んでいます。18年度に比べると10.8%の増加ですが、上半期の実績である12.4%の増加に比べると伸び率はやや鈍化します。
 営業利益は680億円の予想で、こちらは前年度比7.1%の増加です。上半期の営業利益は23.9%の増加でしたから、大幅に伸び率が鈍化するとしています。

●消費税増税の影響で4月以降の受注が鈍化
 周知のように、19年3月末には消費税増税の経過措置期限が切れました。各種の住宅取得支援策の実施によって、前回14年の消費税増税時に比べると駆込み需要は減少したとみられますが、にもかかかわらずその後は反動減が生じています。
 旭化成ホームズでも、「受注状況は4月以降前年比マイナスが続いており、住宅着工においても持家の着工戸数は8月以降マイナスに転じました」としています。そうした市場動向が決算見通しにも反映されているようです。

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●営業人員は増やさずに営業体制の再編を進める
 旭化成ホームズの19年度上半期の営業指標をみると、人員面では連結総人員が7391人で、18年度下半期の7198人から若干の増加でした。営業人員の数はさほど増えていないので、間接部門の増加が中心でした。
 営業拠点数は営業本部が8か所で、支店は66か所でした。前年度に比べて本部が1か所、支店が2か所の減少で、営業体制の再編を進めているようです。
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●ZEH対応の影響で陸屋根商品が6割を超える
 モデルハウスの棟数は223棟で、近年のピークの17年度下半期の238棟に比べると15棟の減少です。
 また、商品構成をみると2階建陸屋根商品が18年度下半期の52.1%から、19年度上半期は62.4%と10.3ポイント増加したのが目立っています。これは、太陽光発電を搭載しやすいZEHの販売に力を入れた結果のようです。

●決算発表に合わせて新たなサービスがスタート
 旭化成ホームズでは、今後も太陽光発電、蓄電池などを搭載したZEHの拡充に力を注いでいく方針です。
 なお、決算発表と合わせて、建物定期点検サービスの60年間無償化、支払額軽減住宅ローン、ヘーベルハウスの買取保証サービスの開始を公表しました。次回は、その点について取り上げましょう。
posted by ky at 09:32| 住宅メーカー

2019年10月25日

ミサワホームが東京モーターショーで令和時代の住まいづくり、街づくりを展示

 2019年24日から11月4日まで、東京・有明において開催されている『第46回東京モーターショー』。そこに、住宅メーカーのミサワホームが、令和時代のあらたな住まいづくり、街づくりに関する展示を行っています。

●クルマ離れに対応した『キッザニア』などの新機軸も
 若い世代のクルマ離れや海外メーカーの出展取りやめなどもあって、東京モーターショーの最近の来場者数はピーク時の半分以下になっているそうで、主催する日本自動車工業会では、さまざまな新機軸を打ち出しているようです。
 ニュース報道などで大きな話題になった『キッザニア』の登場がその代表格。F1パイロットから整備士まで、クルマ関連の仕事を体験できるコーナーなどを設置。家族連れの来場を期待してのことです。
各種の先進テクノロジーやサービスが展示され、入場者はそれを体感できる『FUTURE EXPO』もその一環で、そこにミサワホームが出展しています。

●無料で入場できる「青海エリア」を増設
 これまでの東京モーターショーは有明エリアの東京ビッグサイトが中心でしたが、今回は青海エリアまで範囲を広げ、過去最大規模の広さになっています。
 東京モーターショーの当日券は2000円ですが、青海エリアに設けられた『FUTURE EXPO』エリアは無料で入場できます。もちろん、ミサワホームの展示も無料で見学できます。
 この無料エリアの設定もやはりクルマ離れ、東京モーターショー離れに対応したものといっていいでしょう。
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●2011年に積水ハウスが初めての出展
 東京モーターショーと住宅業界の関わりとしては、2011年には積水ハウスが電気自動車と住宅の連携によるスマートハウスを展示したのを皮切りに、その後も、家電や住宅と自動車を連携する「つながるクルマ」がテーマの「スマートモビリティシティ」などの展示が行われてきました。
 今回のミサワホームの展示もそうした流れの延長線上に位置づけることができ、令和時代の住まいづくり、街づくりへの提案を行っています。

●インフラ未整備の酷暑地域でも自立した生活
 ミサワホームの展示は、会社設立時からの住まいづくりの歴史、思想などを紹介し、先進的な住宅、今後目指していく街づくりに盛り込まれるテクノロジーなどを、模型や映像、実機などの展示を通して紹介しています。
 たとえば、「サステナブルアーキテクチャー」のコーナーでは、模型や映像によって、エネルギーインフラが未整備の地域においても、自立した暮らしが実現できるような先導的な技術が取り上げられています。
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●ミサワホーム独自のパッシブデザインを活かす
 具体的には、太陽熱を利用したカスケードソーラーデシカントや中温冷水を利用した壁・天井放射冷房システムなどが盛り込まれたこの建物は、2019年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
 ミサワホームは早くから、自然の力を有効に活用したパッシブデザインの「微気候」デザインに力を注いできました。また、南極の昭和基地の建設に携わるなどの経験値も活かされています。それらが最新技術と融合、先進的住まいづくり、街づくりにつながっていることが実感できます。

●エクステリアとして設置可能な「ドリップルーバー」
 また、アルミ素材のルーバーに、上からゆったりと水をしたたらせることで高い蒸発冷却効果を発揮することを利用、周辺に打ち水効果をもたらすミサワホーム独自開発の「ドリップルーバー」も展示されています。
大勢の来場者で賑わう会場内に、休憩スペースとして涼しさをもたしています。
 もちろん、一般家庭においては、エクステリアアイテムとして設置可能なアイテムとなります。
 11月4日までの開催期間中、家族連れで訪れてみてはどうでしょうか。



posted by ky at 11:20| 住宅メーカー