2019年11月11日

2018年度の証券化対象不動産の取得金額は4.7兆円で、譲渡金額は4.1兆円

 国土交通省では、毎年不動産証券化の全体的なボリュームを把握するため、証券化の対象として取得された不動産または信託受益権の資産額を調査して公表しています。それによると、2018年度に取得された資産額は4.7兆円で、譲渡された資産は4.1兆円という結果でした。

●取得資産はこのところ4兆円台の後半で推移
 国土交通省が2019年11月8日、18年度中に、リート、不動産特定共同事業、その他私募ファンドなどの不動産ヴィーグルによって、証券化の対象として取得された不動産に関する調査結果を発表しました。図表1にあるように、18年度中に取得された資産は4.7兆円で、17年度の4.8兆円から若干の減少です。
 2000年代の初頭から増加してきたのが、08年のリーマンショックで大幅に減少し、その後ジワジワと回復してきたものの、このところは4兆円台の後半で横ばいの推移となっています。

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●年間の譲渡資産はやや減少して4.1兆円
 それに対して、18年度の譲渡資産は4.1兆円でした。取得資産4.7兆円に対して、4.1兆円の譲渡ですから、0.6兆円の買い越しになります。図表1にあるように、16年度までは取得資産より譲渡資産のほうが多かったのですが、17年度、18年度と2年続けての買い越しになります。
 ただ、買い越し額は0.6兆円と、不動産市況に大きな影響を与えるほどの金額とはいえないようです。

●取得資産のほぼ3分の1をオフィスが占める
 取得した資産の用途別の割合をみると、図表2のようになっています。
 オフィスが34.6%と最も多く、全体のほぼ3分の1を占めています。次いで、倉庫が19.1%、ホテル・旅館が14.7%、商業施設が10.4%で、住宅は9.6%でした。
 オフィスは09年度には45.0%までシェアを高めたことがあったのですが、この数年は30%台の半ばで推移しています。
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●住宅のシェアは18年度に初めて10%を切る
 同様に住宅も05年度にはシェアが33.5%に達していましたが、その後減少が続き、18年度には初めて10%を切って9.6%まで減少しました。
 代わって増えてきたのが、倉庫とホテル・旅館です。倉庫は12年度には30.5%まで増えましたが、その後は若干減少し最近では20%前後を行き来しています。さらに、ホテル・旅館はこのところ10%台の前半で安定しています。
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●都道府県別では東京都が全体の40%を占める
 18年度の取得資産を都道府県別にみると、東京都が40.0%で断然のトップです。しかし、そのシェアは10年度、11年度の67.0%をピークに、しだいに低下してきています。最近では、15年度35%、17年度39%と4割を切る年度もあります。東京都の不動産価格は高くなり過ぎて、高い利回りを期待しにくくなっているので、これも当然の流れでしょう。
 2位は大阪府で、全体の10.5%を占めています。インバウド需要に加え、大阪万博、IR構想などがあって、取得先として安定した地位を続けています。
 以下、神奈川県、福岡県、千葉県、愛知県などが続いています。




posted by ky at 08:41| 投資用不動産

2018年08月15日

首都圏投資用マンションの平均価格はついに3000万円台へ

 不動産経済研究所が2018年8月2日、『2018年上期及び2017年年間の首都圏投資用マンション市場動向』を発表しました。18年上期の首都圏投資用マンションの平均価格はついに3000万円台に乗せたそうです。

●18年上期は物件数、戸数ともに大幅増加
 2018年上期に首都圏で供給された投資用マンションは93物件、4623戸でした。17年上期の60物件、3222戸に比べると物件数で55.0%、戸数で43.5%の大幅な増加です。
 供給エリアをみると、東京都区部では23区中19戸で供給され、都下が2市、神奈川県が川崎市中原区などの9エリアの合計30エリアになっています。
 最も供給が多かったのは、東京都江東区の640戸で、以下東京都板橋区443戸、東京都新宿区439戸、川崎市中原区400戸、東京都墨田区332戸などとなっています。

●平均価格は9.3%上昇して3088万円に
 都心の新宿区が比較的頑張っているとはいえ、中心は23区でも城東、城北エリア、そして川崎市などに移っています。一昔前の投資用マンションといえば都心といった時代とは隔世の感があります。
 18年上期の首都圏の投資用マンションの平均価格は3088万円でした。前年に比べて262万円、9.3%の上昇です。 1u当たりの単価をみると116.2万円で、こちらもやはり4.3万円、3.8%の上昇でした。




●18年上期はシノケンが一躍トップに躍り出る
 投資用マンションの事業主別のランキングをみると、18年上期にはシノケンハーモニーが880戸でトップに躍り出ました。不動産経済研究所が同時に発表した17年の年間実績では、シノケンハーモニーはベスト5にも入っていません。
 しかも、17年1年間のトップの青山メインランドでも676戸でしたから、半年で880戸という数字はすさまじい実績です。シノケンといえばシノケンプロデュースのアパート分野のイメージが強いでしょうが、今後は投資用マンションでも注目しておく必要がありそうです。

●17年の年間供給数は6074戸にとどまる
 ちなみに、17年1年間の首都圏の投資用マンションの供給実績は6074戸で、前年比では13.6%の減少でした。18年上期は上にあるように4623戸ですから、このままの供給が続けば年間9000万戸台のペースです。投資用マンション市場、今年に入って急激に増加していることが分かります。
 不動産経済研究所では、「用地取得の競争激化によって都心中心の展開は難しい状態が続くものの、当面の供給は城東、城北などエリアを拡大して安定的に推移する見込み。しかし、このエリアでも地価の高騰が一段と進めば、首都圏以外のエリアや中古市場に人気が移る可能性もある」としています。




posted by ky at 09:05| Comment(0) | 投資用不動産

2018年06月20日

1年後の不動産価格は「下がる」が多数派に――ノムコム調査

 野村不動産アーバンネットでは、不動産投資サイト「ノムコム・プロ」の会員を対象に、年1回投資用不動産の買い時感などに関する調査を行っています。その最新の2018年5月調査の結果が公表されました。

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●「間もなく買い時が来ると思う」が増加
 現在は投資用不動産の買い時かどうかを聞いたところ、「買い時だと思う」が22.1%で、「間もなく買い時が来ると思う」が36.7%で、「買い時はしばらく来ないと思う」は41.2%でした。1年前の調査に比べて、「買い時だと思う」が減って、「間もなく買い時が来ると思う」が大幅に増加しました。
 その理由に関する自由回答では、「融資が厳しくなっており、不動産価格下落が予想されるから」「価格がピークを打ち、徐々に下がっているから」などといった点が挙がっています。

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●不動産価格は「下がる」が30%を突破
 その不動産価格関して、年後の見通しを聞いたところ、「上がる」が18.4%で、「下がる」が32.6%となっています。「上がる」は1年前から6.5ポイント低下し、「下がる」が6.2%増加しました。1年前は両者が拮抗するレベルでしたが、今回は「下がる」が明らかに主流派になっています。
 それぞれに理由を聞くと、「上がる」ではオリンピック開催が挙げられ、「下がる」理由としては、銀行の融資姿勢の厳しさなどが挙がっています。

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●9割近くの人が銀行の審査の厳格化を指摘
 その金融機関の融資姿勢に関しては、52.8%の人が「変化を感じる」としており、その変化の中身については、「審査が厳しくなった」が87.7%と9割近くに達しています。1年前の調査では65.9%でしたから、融資姿勢の厳しさを実感する人が多いようです。 反対に、「審査が緩和された」は28.3%から7.9%に減少しました。
 特にアパート経営への融資などについて、金融庁の厳しい姿勢が続いているだけに、今後の投資用不動産市場をみる上では、この金融機関の融資姿勢の動向が注目されるところです。




posted by ky at 09:34| Comment(0) | 投資用不動産