2019年10月26日

都心6区の中古マンション価格が初めて8000万円台に――東京カンテイ調べ

 東京カンテイは、毎月大都市圏・主要都市別の中古マンション70u価格を調査、公表しています。首都圏の2019年9月分の平均価格は3727万円で、前月比0.6%、前年同月比では2.5%の上昇でした。なかでも、都心6区(千代田・港・中央・新宿・渋谷・文京)だけでみると、02年の調査開始以来、初めて8000万円台を記録しました。

●売出し価格を専有面積70uに換算して調査
 本欄の不動産経済研究所の新築マンションの動向、東日本不動産流通機構の中古マンションの動向などでもお伝えしているように、首都圏のマンション、なかでも中古マンションの価格上昇が止まりません。
 東京カンテイの調査は、中古マンション売出し価格を専有面積70uに換算してまとめたもので、消費者のニーズに対応した調査ということができそうです。今回は、首都圏における調査結果の概要をみてみましょう。
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●首都圏平均では前年同月比2.5%の上昇
 首都圏全体の平均価格は3727万円でした。前月比では0.6%の上昇、前年同月比では2.5%の上昇となっています。これで前月比、前年同月比ともに3か月連続してアップしたことになるそうです。
 過去2か月と比較すると、7月は前月比0.3%、前年同月比1.4%、8月は前月比0.5%、前年同月比1.8%の上昇だったので、月を追うごとに上昇率が大きくなっていることが分かります。

●東京都は前年同月比で5.5%のアップ
 都県別にみると、東京都は5165万円で、前月比2.7%、前年同月比5.5%と特に前年同月比のアップ率が大きくなっています。東京都に次いで価格水準が高い神奈川県は2937万円で、前月比3.2%、前年同月比1.6%の上昇で、前月比は東京都より上昇率が高くなっています。
 一方、埼玉県は2285万円で、前月比は0.7%の上昇ですが、前年同月比は−0.4%と若干のダウンになっています。また、千葉県の平均価格は2056万円で、こちらは前月比が.−0.2%とややダウンしているものの、前年同月比では1.8%の上昇でした。

●東京23区は前年同月比7.0%の大幅アップ
 首都圏の主要都市の動向をみると、東京23区の平均価格は5764万円で、前月比は2.3%、前年同月比は7.0%と大幅な上昇を記録しました。この23区のアップが、首都圏全体を大きく押し上げているといっていいでしょう。
 それに対して、横浜市の平均は3085万円で、前月比0.1%、前年同月比0.4%の上昇にとどまり、さいたま市は前月比−1.0%、前年同月比−2.7%のダウンで、千葉市は前年同月比−0.1%で、前年同月比が6.0%のアップというまだら模様の結果でした。
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●都心6区は前年同月比で7.1%のアップに
 東京カンテイでは、都心23区をさらに、千代田・港・中央・新宿・渋谷・文京の都心6区、世田谷区・杉並区などの城南・城西、江東区・足立区などの城東・城北エリアに分けての分析を行っています。
 それによると、都心6区の平均価格は8065万円で、02年の調査開始以来、初めて8000万円台の大台に乗せました。前月比は1.3%、前年同月比は7.1%の大幅なアップでした。

●都心6区の平均坪単価は380万円台に
 70u換算で8065万円ということは、3.3u当たりの坪単価にすると約380万円です。都心6区以外の23区にすれば、新築マンション並みの価格といっていいでしょう。何しろ都心6区の価格は飛び抜けており、これが東京23区、ひいては首都圏全体の価格を大きく押し上げているわけです。
 一方、城南・城西エリアは5515万円で、前月比0.6%、前年同月比3.1%のアップで城東・城北エリアは4316万円で、前月比0.7%、前年同月比3.0%のアップでした。



 
posted by ky at 09:41| マンション市場

2019年10月22日

首都圏中古マンションは築30年で築浅物件の3分の1近くに下がる!

 2019年9月20日、東日本不動産流通機構(東日本レインズ)が『首都圏中古マンション・中古戸建住宅地域別・築年帯別成約状況〔2019年7月〜9月〕』を発表しました。地域別や築年数帯によって成約件数や成約価格などがどのように違っているのかを分析した、興味深いデータになっています。

●中古マンション成約件数は四半期で1万件近い水準に
 まず、2019年7月〜9月の首都圏の中古マンション成約件数をみると、9258件でした。四半期でこれですから、単純に4倍すると3万7032件になります。2018年の実績を大きく上回ることは間違いなさそうです。
 一方、不動産経済研究所によると、2019年度上半期の首都圏の新築マンション発売戸数は1万1996戸にとどまっていますから、2019年度の年間でも中古マンション成約件数が、新築マンション発売戸数を上回ることになりそうです。
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●築10年超20年以下と30年以上が大きな山に
 その築年数帯別の成約物件の構成比をみると、図表1にあるように、「〜築15年」「築20年」までの、築10年〜20年が大きな山を形成し、一方、「築30年〜」が一段と高い山を形成しています。
 ただ、築10年から20年の合計は2801件ですから、「築30年〜」の2606件を若干上回っています。築10年から20年がマンション売買の適齢期といってもいいのかもしれません。

●築深物件の成約価格は築浅物件の半値以下に
 成約価格のu単価をみると、平均では53.8万円ですが、築年数別の違いが極めて大きくなっています。図表1の折れ線グラフでも分かるように、築年数が長くなると価格は急速に低下し、築30年を過ぎた段階で横ばいになります。
 首都圏全体でみると「〜築5年」の成約価格のu単価は86.9万円であるのに対して、「〜築10年」になると76.6万円に低下し、年数を追うごとに下がり、「〜30年」では30.5万円まで低下します。築深マンションの成約価格は、築浅に比べると3分の1近くまで下がる計算です。
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●売却を前提に考えるなら20年以内の売却を
 しかし、中古マンション売買の適齢期でもある「〜築15年」なら「〜築5年」の73.5%、「〜築20年」でも64.2%を維持できます。売却するのなら、築20年になるまでに売却したほうが得策です。
 最近は、マンションの永住指向が強まっているといわれますが、「いずれは買換え」と考えるのなら、20年までをひとつのメドにするのがいいのではないでしょうか。何しろその時期を過ごしてしまうと、築浅の3分の1近くまで下がるのですから、早めの決断が大切です。

●東京都なら築深物件でも資産価値を維持しやすい
 ただ、この成約価格の低下は、エリアによって大きく異なります。人気が高く、マンションの資産価値を維持しやすいエリアなら、築年数を経ることによる価格低下カーブは緩やかなものになります。
 図表2は東京都の築年数別の成約価格と成約u単価を示しています。もちろん、築年数が長くなればu単価は下がっていくのですが、首都圏全体ほどの急激な下がり方ではありません。「〜築5年」に対する「〜築30年」のu単価は46.8%を維持しています。半値以下にはなるのですが、首都圏全体の3分の1近いレベルに比べると、資産価値を維持しやすいということができます。
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●千葉県では築深物件は3分の1以下の水準に
 さらに、東京23区だけでみると、「〜築5年」のu単価は108.2万円で、「〜築30年」は59.6万円です。u単価は、築深でも築浅の55.1%を維持しています。半値以下に下がることはないのです。
 一方、千葉県では、「〜築5年」が51.6万円に対して、「〜築30年」は17.1万円です。築30年以上だと、築浅物件に比べて3分の1以下に下がります。首都圏全体より資産価値の下がり方が大きくなります。
 残念ながら、価格水準が高いエリアほど資産価値を維持しやすく、安いエリアほど資産価値が下がるということです。

●広めのマンションなら築10年〜20年が狙い目
 東日本レインズでは、築年数別の専有面積の分析も行っています。
 首都圏全体でみると、図表3にあるように、「〜築5年」「〜築10年」は専有面積66u台ですが、「〜築15年」になると66.9uに、「〜築20年」だと71.4uになります。そこからさらに築年数が長くなると専有面積は狭くなっていきます。
 専有面積の広めのマンションを探すのなら、築10年から20年までにターゲットを絞るのが現実的です。



posted by ky at 10:21| マンション市場

2019年10月20日

いよいよ首都圏マンション市場は中古マンションが主役の時代に本格突入

 2019年10月17日、不動産経済研究所が2019年度上半期(19年4月〜9月)の首都圏新築マンションの発売戸数を発表しました。それによると、半年間の発売戸数は1万1996戸で、これは1992年度上半期の1万0357戸以来の低水準で、首都圏マンション市場の低迷ぶりを示す結果となりました。

●発売戸数はバブル崩壊時以来の低水準に
 不動産経済研究所によると、2019年度上半期(2019年4月〜9月)の首都圏新築マンションの発売戸数は1万1996戸で、前年同期に対して21.7%の減少。4月〜9月の発売戸数の減少は6年連続で、ついにバブル崩壊時の92年度上半期の1万0357戸以来の低水準となりました。
 これだけ発売戸数が減っているのに、契約率は低いままです。19年度上半期の契約率は64.6%で前年同期比では0.6ポイントの減少です。業界の採算ラインといわれる70%を下回る状態が続いています。

●売れないのに価格はむしろ上昇傾向に
 なぜ売れないのか、理由は簡単で価格が高すぎるからです。東京カンテイの年収倍率では、首都圏平均で11倍台、東京都だけに限れば13倍台ですから、平均的な会社員が買える範囲をはるかに越えています。
 しかも、土地の仕入れ値、建築費が高止まりしているため、分譲会社としてもなかなか価格を下げるわけにはいきません。19年度上半期の平均価格は6006万円で、前年同期比4.2%の上昇です。この6006万円という数字は、バブルピーク時の91年度上半期の6137万円以来の6000万円台で、売れないのに価格だけはバブル並みの水準に達しているのです。
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●中古の成約価格は新築の6割以下の水準
 これではとても手が出ないということで、中古マンションに向かう人が増えているのではないでしょうか。新築マンションは難しくしても、中古マンションなら何とかなると考える人が増えてもおかしくありません。
 実際、図表1にあるように、首都圏中古マンションの成約価格の平均は18年度で3333万円です。18年度の新築マンションの平均は5871万円ですから、中古なら新築の56.8%で手に入ることになります。新築の価格上昇にともなって、中古価格も上がってはいるのですが、それでも新築に比べるとなだらかな上昇カーブです。
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●16年は中古の成約件数が新築発売戸数を上回る
 このため、中古マンションの成約件数は年々着実に増加しています。図表2にあるように、新築マンションの発売戸数は13年の5万戸台をピークに減少していますが、その一方で中古の成約件数が増えているため、16年にはついに中古マンションの成約件数が、新築マンションの発売戸数を上回りました。
 当時は、新築と中古の主役交替の時期かと騒がれましたが、その後はさほど大きな動きはなく、17年、18年と中古が新築をやや上回る水準で推移してきました。
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●19年には中古が新築を大きく引き離す可能性
 しかし、19年に入って新築の発売戸数が大幅に減少し、中古は着実に増加しているため、19年には中古のほうが新築よりかなり多くなりそうです。
 図表3にあるように、19年に入ってから毎月レベルでみても、中古マンションの成約件数が新築マンションの発売戸数を大きく上回っています。9月までの累積でみると、中古は3万件台に近づいているのに対して、新築はまだ2万戸を超えたばかりです。
 例年、12月には新築マンションの供給戸数が急増しますが、それを考慮しても19年1年間の両者の差が数千件単位になるのは間違いないでしょう。

●中古マンションが主役の時代が定着するのか
 いよいよ中古マンションが主役の時代がやってきたということでしょうが、残念ながらそれは、中古マンション市場が急拡大しての主役交替ではなく、新築マンションの失速による中古マンションの”不戦勝”といった色彩は免れません。
 とはいえ、この先も新築マンションの発売戸数が急速に増加することは期待しにくいのが現実だけに、このまま本格的に中古マンションが主役の時代に入っていくことになるのでしょう。




posted by ky at 09:01| マンション市場