2019年05月15日

JR総武線小岩駅の南口が超高層マンション街建設に向けて第一歩--野村不動産など

 JR総武線小岩駅の南口では駅前ロータリーを囲むように、南小岩六丁目地区で再開発計画が、南小岩七丁目地区で再開発計画と区画整理計画が進められています。2019年5月12日、その第一弾となる南小岩六丁目地区の起工式が開催されました。これを機に、小岩駅周辺では超高層マンションが続々と建設され、5年後、10年後には新たな超高層マンション街が形成されることになるようです。
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●「小岩」駅周辺の小売業売上高は270億円減少
 JR総武線の小岩駅には、北口に「小岩駅北口通り商店街」があり、南口のバスロータリーを囲むように、「昭和通り商店街」「フラワーロード」「区役所通り(サンロード)」などの商店街が広がっています。
 高度成長期、バブル期には多くの買い物客などで賑わいましたが、近年では人口の減少、高齢化、都市基盤の不足などもあってシャッターを降ろしたままの商店なども増えて活気が乏しくなっています。

●「百年商栄都市・小岩」を目指した街づくり
 何しろ、江戸川区によると「小岩」駅周辺の小売業の売上高は10年間で270億円も減少しているそうです。
 そのため、江戸川区では駅周辺の再開発を進め、「百年商栄都市・小岩」を目指して新たな街づくりをスタートさせています。2009年に「まちづくり基本計画」が策定され、10年から事業計画が進められ、南口では、「フラワーロード」の入口である『南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業』、「昭和通り商店街」を中央に抱える『南小岩七丁目地区第一種市街地再開発事業』が進行しています。
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●「小岩」駅南口の様相を一変させる大規模再開発
 このうち、『南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業』は、16年に事業計画・再開発組合設立が認可され、18年末の権利返還計画を経て、19年5月12日の起工式に至ったわけです。
 続いて『南小岩七丁目地区第一種市街地再開発事業』は、19年度に都市計画決定、20年度に再開発組合が設立の予定で、いよいよ小岩駅南口の様相を一変させる大規模な再開発が本格的にスタートすることになります。

●ペデストリアンデッキで商店街と一体となった動線
 その第一弾となる『南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業』はJR総武線小岩駅の南口、バスロータリーの西側、総武線の線路とフラワーロードに挟まれた三角地帯になります。駅前商業地の一角で、今回の再開発には、59人の土地所有者、121人の借家権者などがいました。
 配置図にあるように、最も駅に近いT街区には商業施設が入り、その南側のU街区には業務棟、商業棟、その南のV街区にはやはり商業棟と住宅棟が入ります。駅からはペデストリアンデッキで結ばれ、商店街の連続性と一体となった歩行者動線が確保されます。

●小岩エリア最高の33階建て、高さ110mに
 全体の敷地は約8954uで、延床面積は約8万8857u。T街区は鉄骨造の地上10階建てで、商業施設が入居します。3街区のなかでは最も早く、21年2月にオープンする予定です。
 U街区は鉄筋コンクリート造・鉄骨造の地上22階・地下1階建てで、商業施設、業務施設、住宅のほか駐車場が入ります。
 V街区は鉄筋コンクリート造・鉄骨造の地上33階・地下1階建てで、最も高い110mの建物になります。商業施設、住宅、駐車場のほか公共駐輪場が設置される予定です。

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●野村不動産などが601戸のマンションを分譲予定
 V街区が22年5月に竣工して『南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業』のすべてが出揃うことになります。
 そのうち住宅はU街区、V街区合わせて601戸が予定されており、再開発事業の参加組合員になっている野村不動産、タカラレーベンなどが分譲することになります。販売時期や価格などは未定ですが、小岩エリアの超高層マンション群の先駆けてとしてどれくらいの価格帯になるのかは注目しておきたいところです。

●超高層マンションが林立する住宅地に変身
 というもの、この『南小岩六丁目地区第一種市街地再開発事業』では超高層マンションが2棟ですが、今後も続々と超高層マンションが建設され、小岩駅周辺は超高層マンションが林立する都内でも最先端の住宅地に変貌していく見込みです。
 隣接する『南小岩七丁目地区第一種市街地再開発事業』でも2棟の超高層マンションの建設が予定され、20年度着工予定の『小岩駅北口駅前地区第一種市街地再開発事業』でも、三井不動産レジデンシャルと新日鉄興和不動産グループによって超高層マンション2棟が建設される予定です。これらによって新たに6棟の超高層マンションが誕生し、すでにある1棟と合わせると7棟の超高層マンション街になります。
 いかに最先端の住宅地に変貌していくのか、今後の推移が楽しみです。




posted by ky at 09:07| 街づくり

2019年05月11日

パナソニックとトヨタ自動車が街づくり事業の合弁会社設立、住宅3社は事業統合

 2019年5月9日、トヨタ自動車、パナソニックというわが国を代表する2社が街づくり事業に関する合弁会社を設立すると発表しました。両社の強みを住宅、街づくり分野において掛け合わせて新たな価値の創造に取り組んでいこうという狙いだそうです。

●住宅、建設、街づくり事業5社の事業統合
 トヨタ自動車、パナソニックが共同出資で設立するのは「プライム ライフ テクノロジー株式会社」。トヨタ自動車、パナソニックの同率出資が前提で、三井物産も一部出資する可能性も示唆されています。来年1月のスタートを予定しています。
 その新会社のもとに、トヨタ自動車100%出資のトヨタホーム、今年4月にやはりトヨタ自動車の完全子会社となったミサワホーム、パナソニック100%出資のパナソニックホームズ、パナソニック建設エンジニアリング、松村組が連なる形になります。住宅、建設、街づくりに携わる5社の統合による相乗効果を図ろうというわけです。
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●住宅においてはバックヤードの共通化
 トヨタホーム、ミサワホーム、パナソニックホームズの住宅3社に関しては、いずれも一戸建て住宅が中心で、もろに競合しますが、3社の統合による経営強化を目指します。具体的には部材の調達・製造・物流などの川上部門、設計・施工・営業支援などの川下部分のバックヤードの共通化を推進、効率化、コストダウンなどを図り、業界トップクラスの競争力を実現したい考えです。
 ただし、既存の3社のブランドはそのまま維持し、それぞれの個性を活かしながらの発展を目指すそうです。

●3社で約年間1.7万戸のスケールメリットを
 戸建て住宅だけに限っても、この3社の合計は約1.7万戸に達します。3社個別では大手のなかでは中位から下位になりますが、3社合計の1.7万戸となると大手のなかでも積水ハウス、大和ハウス工業などを抜いてトップになります。
 また、集合住宅まで含めると約2.9万戸で、大和ハウス工業、積水ハウス、飯田グループホールディングスに次ぐ4位になり、統合化が進めば大きなスケールメリットを享受できるはずです。

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●新設住宅着工戸数は先細りが避けられない
 こうしたスケールメリットを活かしての事業統合の背景には、住宅3社を取り囲む住宅業界の事情に対応する側面、そして親会社であるパナソニック、トヨタ自動車も含めた大きな社会変化に対応する側面があります。
 周知のように住宅業界は、人口減少と間もなくやってくる世帯数減少のなかで、新設住宅着工戸数は大幅に減少せざるを得ません。野村総合研究所の予測では、現在年間90万戸台の新設住宅着工戸数が2025年度には69万戸、30年度には60万戸台まで減るだろうとしています。実際にそこまで減少するのどうか、若干の疑念もありますが、減少トレンドに向かうことは間違いないでしょう。

●中堅3社単独での局面打開は難しい現実
 それに対応して業界上位の大和ハウス工業は物流施設、積水ハウスはホテル事業などに領域を拡大すると同時に、海外進出を進めて国内の一戸建て住宅偏重からの脱皮を図っていますが、正直いって中堅の3社はそれに遅れをとっているのが現実で、強い危機感を抱いているのではないでしょうか。
 その厳しい局面を打開するのは単独では厳しい、親会社であるパナソニック、トヨタ自動車の力を借りながら、次代への対応を図っていくしかないということでしょう。
ただ、それにしてはブランドは原状の3社のままであり、新味が感じられないのが少し物足りない気がしますが。

●パナソニックやトヨタ自動車にも危機感
 親会社にもそれぞれ危機感があります。18年度決算でわが国では初めて売上高30兆円を達成したトヨタ自動車でも、決算発表の場で豊田章男社長は、「トヨタは大丈夫と思うようになったら危ない」として、激しい変化のなかで常に時代を先取りした対応が不可欠てあることを強調しました。ソフトバンクとの提携など、他業界との協同などにも積極的に取り組んでいるのはその表れでしょう。
 一方、パナソニックは18年度決算の営業利益は前年度比8%増だったものの、19年度は3割減を見込むなど、極めて厳しい環境に置かれています。




●ネットでつながる社会では価値観の転換も
 その厳しい認識を持つ両社は、すでに車載電池分野で共同開発に取り組んでいる実績があり、このほど住宅、街づくり分野での合弁会社の設立ということになったのでしょう。
 IoTが進んでクルマや家電、住宅設備などあらゆるモノがネットにつながり、自動運転、次世代の移動サービスなどを普及すれば、街のあり方、住宅のあり方にも大きな変化が生じます。
 これまでは、「便利な場所の狭い住宅」、「不便な場所の広い住宅」の二択でしたが、ネットによって便利、不便の壁が取り払われ、「便利な場所の広い住宅」が可能になり、街づくりに対する考え方が変わる可能性があります。

●見捨てられた住まいや街の見直しも
 それはこれからの住まいづくり、街づくりだけではなく、既存の住まい、街にも変化をもたらすはずです。
 不便で住みにくいと見放されていた住まいや街が見直され、これまでは新たな街づくりが難しいと諦められていた場所で、先端的な街づくり、住まいづくりが可能になるかもしれません。
 トヨタ自動車、パナソニックの技術力、そして住宅・建設関連の5社の施工力を持ってすれば、それが可能になる――そんな期待を抱かせる注目のトピックスといっていいでしょう。



posted by ky at 10:03| 街づくり

2019年04月16日

首都圏最大級の街づくりプロジェクト『幕張ベイパーク』の街びらき開催!

首都圏最大級の街づくりプロジェクト『幕張ベイパーク』の街びらき開催!

 三井不動産レジデンシャル、野村不動産、三菱地所レジデンスなどが開発を進めている『幕張ベイパーク』。開発期間が2016年から29年までの10年超にわたる、首都圏でも最大級の街づくりです。その第1弾ともいうべき『幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス』が竣工、入居が始まるとともに、周辺施設もオープンし、19年4月13日に街びらきのセレモニーが開催されました。

●10年後には1万人が暮らす街づくり
『幕張ベイパーク』は、総面積17万5809uの広大な敷地に、約4500戸の住宅機能を整備し、約1万人が暮らす街を開発する一大プロジェクトです。
 一般の人だけではなく多くの専門家も称賛するアメリカのオレゴン州のポートランドをモデルに、地区中央に設けられた若葉三丁目公園を取り囲むように住宅や各種の施設が配置されます。多様な機能を併せ持ったミクストユースの賑わいのある街づくりが目指されています。
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●住宅棟の第一弾が竣工して、商業施設もオープン
 その住宅棟の第一弾である『幕張ベイパーク クロスタワー&レジデンス』が竣工し、合わせて、エリアマネジメントの拠点となる『幕張ベイパーク クロスポート』、商業施設『イオンスタイル幕張ベイパーク』などがオープンするのに合わせて、街びらきイベントが開催されました。
 街びらきイベントには、事業者を代表して三井不動産レジデンシャルの関係者、千葉県企業局の代表者、商業施設の代表なども出席しました。

●若葉三丁目公園の「ツリーデッキ」を千葉市に寄贈
 街づくりの中心に据えられているのが、若葉三丁目公園で、ここに住んでいる人だけではなく、周辺の住民もやってくる、賑わう街づくりが目指されています。
 その中心に賑わいを形成するためのシンボルとして「ツリーデッキ」を設置、千葉市に寄贈されました。街びらきの当日には、千葉市長・熊谷俊人氏を招いて寄贈式セレモニーも実施されました。
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●街づくりのコンセプトは「ニューローカリズム」
 この『幕張ベイパーク』のコンセプトは、「ニューローカリズム」。東京の都心などでは実現できない、独自の価値観を持った街づくりが展開されています。最近は、都心の『晴海フラッグ』をはじめ、1000戸を超える規模の大規模開発が各地で進められているだけに、独自色を打ち出し、それに共鳴してもらうことが、競合を勝ち抜く上で不可欠の要素となりつつります。
 それが、千葉市の幕張という立地に見合った「ニューローカリズム」ということになるのでしょう。

●整然とした街づくりとエリアマネジメント
 具体的には、@ポートランドの街づくりの考え方を取り入れる、A独自のデザインラインで統一性を保つ、Bエリアマネジメントによって地域内に活発なコミュニケーションをつくり出す――ことが目指されています。
 建物に関しては色温度を抑えた目にやさしい照明計画とし、タワーが目立ち過ぎないように段階的な高さ設定で、圧迫感を軽減する、1階にはガラス面を多くして、内部演出の賑わいを外部からも感じ取れるようにして、内外一体の賑わいを創出するなどの仕掛けがほどこされています。
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●住民は優先的に入所できる認可保育園も
 住宅棟の第1弾となる『クロスタワー&レジデンス』は、37階建ての総戸数497戸の建物で、19年3月から入居が始まっています。
 敷地内には、定員70名の認可保育園が設置されていますが、入居者は優先入所できるようになっています。認可保育園で入居する人が優先入居できるのはわが国では初のことで、子育て世帯には嬉しい施設です。
 また、インターナショナルプリスクールとして、英語のみの保育施設や学童保育施設なども設けられます。

●住宅棟の第2弾の販売がスタートしている
 住宅棟の第2弾は、『幕張ベイパーク スカイグランドタワー』。千葉県最高層の地上48階建てで、総戸数は826戸の超高層マンション。免震構造が採用されます。
 すでに、本格的な建設工事が始まっており、21年3月から入居開始予定です。今年の1月からは販売もスタートしていますが、第1期1次は完売するなど、なかなか好調な販売状況のようです。街びらきの取材に合わせて、この『幕張ベイパーク スカイグランドタワー』のモデルルームも拝見してきたので、次回はそのモデルルームをレポートしましょう。



posted by ky at 09:21| 街づくり