2019年09月16日

アキュラホームが日本初の災害時支援施設となるモデルハウスをオープン!

 注文住宅のアキュラホームが、2019年9月13日、埼玉県久喜市に9月14日にオープンする総合住宅展示場の「モラージュ菖蒲ハウジングステージ」に、わが国初という災害時支援施設となるモデルハウスを建てました。9月13日、現地で代表取締役社長・宮沢俊哉氏も出席して、発表会が開催されました。

●日産自動車の「ブルー・スイッチ」と提携
 アキュラホームは19年5月に、『ミライの家Rei』を発表。ZEH+仕様で日産自動車のEV「リーフ」を設置することで、災害時の停電時でも電気を使えるようにしました。
 アキュラホーム代表取締役社長・宮沢俊哉氏は、「日産自動車が、自治体や企業などと災害対策、環境負荷低減などの問題解決に取り組む『ブルー・スイッチ』を推進していることを知り、当社の『ミライの家Rei』とリーフを組み合わせた取組みができないかと相談、今回のプロジェクトが実現しました」としています。
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●リーフの蓄電池からスマホなどに充電
 それによって、わが国では初といわれる災害時の支援施設となるモデルハウスが誕生しました。その災害時支援の内容は、次の5本柱です。
 第一には、災害時に停電が発生したときには、地域の人たちに電力を供給します。モデルハウスには、11Kwの太陽光発電設備を搭載、それをニッサンのリーフの蓄電池に充電しておき、停電時には近隣住民のスマホやタブレットなどの充電に利用してもらいます。
 19年9月に発生した台風15号では、千葉県を中心に大規模な停電が発生し、スマホの充電が行えないため、情報が遮断される被災者が多かったのですが、それを少しでも救うことができます。
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●1台のリーフで600台のスマホに充電
 リーフの蓄電池は40Kwの大容量ですから、一般的な住宅ならフル充電しておけば、3日か4日程度は、通常の生活を送ることができます。太陽光発電設備を搭載して、リーフをつなげておけば、万一の際の安心感が強まるわけです。
 今回の支援施設としての役割でみれば、1台当たりのスマホの充電時間を30分とすれば、600台ほどのスマホに充電できます。天候不順などが続いて、リーフの蓄電が不足しそうなときには、日産プリンス埼玉販売の支店や営業所から、追加でリーフを供給してもらえるようになっているそうです。

●手漕ぎポンプによる井戸を設置して水を確保
 災害時支援の第二の柱は、モデルハウスの玄関脇に設置された手漕ぎ式ポンプの井戸設置です。アキュラホームでは、災害時に備えて井戸付きの住宅の販売に力を入れていますが、モデルハウスでも必ずといっていいほど井戸を設置しています。
 今回の台風による千葉県の停電では、山武市などで井戸水を飲料水としている地域もあったのですが、停電によって井戸水を汲み上げることができなくなりました。その点、手漕ぎ式なら問題ありません。
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●災害時には周辺の住民に水を提供する
 水質調査が必要ですが、地域によっては飲料水とすることもできますし、そうでない場合でもトイレを流すなどの生活用水として活用できます。水洗トイレは断水すると使い物になりませんから、これはたいへん助かります。
 災害時には、近隣の皆さんにこの井戸水を提供します。実際にどの程度の需要があるのかなど、どれくらい提供できるのかなど不透明な部分はありますが、バケツを持参してもらって利用してもらうことになるのではないでしょうか。
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●備蓄倉庫の飲料水などを地域の人たちに
 第三の柱は災害に備える備蓄倉庫としての役割を果たします。写真にあるように、屋根裏に飲料水などを蓄えておき、災害時に地域の皆さんに提供します。アキュラホームでは、500人から1000人程度に備蓄品をお渡しできるのではないかとしています。
 第四は、主に災害弱者への一次避難場所の提供です。停電時にも太陽光発電設備とリーフによって、モデルハウス内の空調を稼働させることができるので、子育て中の世帯の避難先として場所を提供することにしています。

●住宅展示場全体に拡充し、久喜市とも協力
 そして第五の柱が、災害情報の提供です。停電によって情報が遮断された地域の皆さんに、モデルハウス内のモニターに常時テレビを放映、地域に開放します。また、常設されているパソコンなども自由に利用できるようにします。
 アキュラホームでは、こうした取組みを同社のモデルハウスだけではなく、「モラージュ菖蒲ハウジングステージ」全体に拡充し、また地元の久喜市とも協力して、一段のバージョンアップを図っていきたいとしています。




posted by ky at 10:00| 防災

2019年06月08日

19年の3.8%に続いて21年に5.1%の引上げの届出を提出――地震保険料

 損害保険料率算出機構が2018年5月28日、金融庁に地震保険基準料率の変更に関する届出を提出しました。認可されれば、21年1月頃から地震保険料が平均5.1%引き上げられることになります。

●地震保険の全世帯における加入率は32.0%にとどまる
 地震保険は火災保険の特約として加入する仕組みですが、その火災保険に対する付帯率は17年度末で63.0%。全世帯が火災保険に加入しているのではないので、全世帯に対する地震保険の加入率は31.2%にとどまっています。地震大国日本においてこの加入率には不安を禁じ得ません。
 とはいえ、10年前の07年度末の加入率は22.4%でしたから、ジワジワとはいえ着実に上がっています。そこへ19年に続いて21年も保険料引上げとなると、着実な増加に水を浴びせることになりかねません。
実際にどの程度上がるのか、今回の届出の内容を確認しておきましょう。
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●東日本大震災の影響を受けて3段階の引上げ実施
 損害保険料率算出機構では、2007年の東日本大震災の影響を受けて、15年に基本料率の改定を3段階に分けて実施すると届け出ています。大震災による保険金支払いの増加の影響を、一度に基本料率引上げに反映すると影響が大きすぎるということで、3段階に分けて実施することにしたわけです。
 図表にあるように、17年1月から平均5.1%引上げ、19年1月に3.8%引き上げたのに続いて、今回5.1%の引上げの届出を提出しました。認可されれば、21年1月からの実施になる見込みです。

●都道府県によって引上げ率は大きく異なる
 全国平均で5.1%の引上げですが、地域や建物の構造などによって地震保険料は異なり、今回の引上げにおいては都道府県別に大きな差が出ています。
 一般的な木造住宅でみると、都道府県別で最も引上げ率が高いのは福島県の14.7%で、徳島県と高知県が14.5%、茨城県と埼玉県が14.4%の引上げなどとなっています。保険料が上がる都道府県が多いのですが、12府県では引き下げられます。なかでも、最も引下げ率が大きいのは、愛知県、三重県、和歌山県の14.2%です。
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●東京都は引上げで大阪府は引下げに
 マンションなどの耐火構造物の引上げ率が最も高いのは埼玉県の14.6%で、次いで茨城県と高知県が14.2%などとなっています。反対に、愛知県と三重県、それに和歌山県では18.1%の大幅な引下げになります。
 ちなみに、東京都は耐火構造物が10.0%、木造住宅などが8.5%の引上げで、大阪府はそれぞれ6.3%、5.4%の引下げになる予定です。
 エリアによっては地震保険料が相当に違ってきますから、どこに住むかによって、負担感に大きな差が出てきそうです。
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●長期係数も引下げ割引率が小さくなる
 地震保険は最長5年までの長期契約が可能です。契約期間が長くなると1年当たりの保険料は安くなります。
 現状では、図表にあるように、5年契約にすれば長期係数は4.60で、1年当たりの保険料は4.60÷5の0.92になります。1年契約の保険料を100とした場合、92ですむ計算です。つまり、5年契約にすることによって、1年当たりの保険料は8%の割引になるわけです。
 それが、今回の引上げにともって長期係数が4.65に引き上げられます。1年当たりの保険料は1年契約の93%になり、割引率はこれまでの8%から7%に下がることになります。



posted by ky at 09:55| 防災

2018年11月26日

消費者庁が冬場に急増する高齢者の入浴中の事故への注意を喚起

 11月26日は、「いい風呂」の日だそうです。それに合わせて消費者庁が冬場に急増する入浴中の事故に関して注意を喚起しています。2018年11月21日、ホームページ上で「冬季に多発する入浴中の事故に御注意ください!」という文書を掲載しました。その概要をみると――。

●2011年以降は交通事故の死亡者数を上回る
 消費者庁によると、高齢者の事故のうち「不慮の溺死及び溺水」による死亡者数が増加傾向にあり、そのうちの7割を住宅内の浴槽での死亡事故が占めているそうです。
 グラフにあるように、交通事故による高齢者の死亡者は年々わずかずつですが減少しているのに対して、住宅内の溺死や溺水による死亡者数は増加の一途で、2011年以降、交通事故による死亡者数を上回る状態が続いています。
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●「病死」を含めると実際にはもっと多い!?
 16年の数値をみると、「不慮の溺死及び溺水」による高齢者の死亡者数は合計で6759人、うち4821人が家庭内での事故によるものです。それに対して、交通事故による高齢者の死亡者は3061人で、家庭内での溺死や溺水は交通事故による死亡者数の1.6倍以上に達しているのです。
 消費者庁では、入浴中の急死でも「溺死や溺水」ではなく「病死」と判断される場合も少なくないため、実際に家庭内の浴槽で発生している入浴中の高齢者の事故死はもっと多いのではないかとしています。
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●75歳以上の後期高齢者の事故死が増えている
 高齢者のなかでも75歳以上の後期高齢者の死亡者数が増えています。人口10万人当たりの死亡者数をみると、60歳〜65歳では1.6人にとどまっているのが、75歳〜79歳になると15.0人に、そして85歳〜89歳では32.8人に達しています。
 そのため、浴槽で溺れる事故による救急搬送件数も年齢が高くなるにつれて増加しています。東京消防庁のデータでは、人口10万人当たりの搬送件数は、60歳〜64歳が1.5人に対して、75歳〜79歳では19.2人に、85歳〜89歳では49.7人に達します。

●12月から3月までが死亡事故のピークに
 この浴槽内での溺死や溺水による死亡事故、冬季に急増するのが特徴です。グラフにあるように、夏場にはかなり減少しますが、秋に入るとジワジワと増加、12月にはピークに達し、その高い水準が3月あたりまで続き、4月にようやく収束に向かいます。
 この時期、高齢者、なかでも後期高齢者には特に注意が必要で、入浴する本人が十分に注意するだけではなく、周りの人がシッカリと見守ることも大切になってきます。
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●消費者庁が挙げる高齢者の入浴の注意点
 以上のような点を踏まえて、消費者庁では入浴中の事故を防ぐために、次の6点を注意ポイントに挙げています。
➊入浴前に脱衣所や浴室を暖めましょう
❷湯温は41度以下、湯につかる時間は10分までを目安にしましょう
❸浴槽から急に立ち上がらないようにしましょう
❹食後すぐの入浴、アルコールが抜けていない状態での入浴は控えましょう
❺精神安定剤、睡眠薬などの服用後の入浴は危険ですので注意しましょう
❻入浴する前に同居者に一声掛けて、見回ってもらいましょう

●高断熱・高気密化やバリアフリーも重要
 その前提として、住まいの高断熱・高気密化も大切です。断熱性の高い住まいなら、少ない光熱費で住まいのなかを一定の温度に保つことができ、入浴時に周囲の温度が急激に変化することはなくなります。
 また、浴室内外に手すりをつけ、浴槽内をすべりにくい素材にする、浴室の縁を跨ぎやすくするなどのバリアフリーも重要になってきます。
 その上で消費者庁が挙げる6つのポイントを守れば、家庭内での溺死や溺水を大幅に減らすことが可能になるのではないでしょうか。




posted by ky at 09:09| Comment(0) | 防災