2019年11月07日

新築住宅やリフォーム相談におけるトラブルの不具合事象のトップは「ひび割れ」

 前回に続いて、2019年10月31日に、公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが発表した、『住宅相談統計年報2019』の内容を紹介します。

●トラブル相談のうち78.7%で不具合が発生
 住宅やリフォームにおける相談のうち、トラブルが発生してからの相談が大多数を占めるのは前回紹介しましたが、そのうち住宅トラブルの相談に関してみると、「不具合あり」が78.7%を占めます。
 つまり、契約を巡るトラブルなどもあるものの、雨漏りやひび割れなど、住宅の不具合に関するトラブルが中心を占めているわけです。
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●一戸建てでは外壁、基礎のひび割れがトップ
 その不具合事象を一戸建て、マンションの別でみると、一戸建ての不具合事情のトップは、ひび割れが21.0%で、以下雨漏り14.5%、性能不足12.7%、はがれ12.4%、変形10.4%などが続いています。
 不具箇所としてはひび割れが外壁、基礎で、雨漏りは外壁、屋根、性能不足は設備機器、外壁、はがれは屋根、外壁、変形は床、開口部・建具などとなっています。

●マンションでもひび割れが15.0%のトップに
 一方、マンションでもやはりひび割れが15.0%のトップで、こちらは不具合箇所として外壁のほか、内壁が挙がっています。
 2位ははがれの12.2%で、不具合箇所として多いのは外壁と内装になっています。マンションでは、外壁もさることながら、内壁や内装などの不具合にも十分注意しておく必要がありそうです。
 以下、性能不足10.7%、雨漏り10.5%、漏水9.9%と続いています。
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●1年未満で見つかる不具合が最も多い
 新築相談のうち、不具合が見つかった築年数をみると、1年未満が35.5%と最も多く、2年未満は9.8%で、3年未満になると5.9%に減少し、10年未満までは3%台から5%台の横ばいで、11年未満以降は1.9%、12年未満1.2%とジワジワと減少していきます。
 新築住宅の場合、引渡しから10年以内の性能保証が法律で義務化されていることが影響しているのではないでしょうか。

●リフォームの不具合ははがれがトップに
 リフォームに関する不具合をみると、トップははがれの17.7%で、不具合箇所が多い場所としては、屋根、外壁が挙がっています。
 2位は雨漏りの15.9%で、こちらも屋根と外壁に発生するケースが多くなっています。3位は、性能不足の12.5%で、外壁や屋根が不具合箇所として挙がっています。以下、4位はひび割れの12.1%、5位は汚れの8.6%と続いています。

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●訪問販売によるトラブルは減っていない!
 ひところ、突然の訪問による強引な営業などのリフォーム訪問販売のトラブルが急増して大きな社会問題になりました。最近は、さほど聞かなくなったような気もしますが、実態的にはなかなか減っていないようです。相変わらず訪問販売よるトラブルが多いのですが、単に話題性が乏しくなって、ニュースなどで取り上げられなくなったということかもしれません。
 住宅リフォーム・紛争処理センターの統計では、18年度の訪問販売に関する相談は666で、リフォーム相談全体に占める割合は8.8%という結果でした。グラフにあるように、件数、割合ともにほとんど横ばいが続いています。

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●訪問販売で契約に関するトラブルがトップ
 一般のリフォーム相談では、工事に関するトラブルが多かったのですが、訪問販売によるトラブルでは、契約に関するトラブルが66.4%を占めています。強引な営業によって、本意ではない契約を締結させられたというケースが多いのではないでしょうか。
 そのため、解決希望策としては、契約解除が60.6%とトップを占め、修補は2位の24.7%にとどまっています。
 そのほか、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの電話相談には、「リフォーム見積チェックサービス」「専門家相談」などもあります。それらの相談内容に関しても詳細な分析データが紹介されています。詳しくは下記をご覧ください。
★『住宅相談統計年報2019』
http://www.chord.or.jp/tokei/pdf/soudan_web2019.pdf



posted by ky at 07:52| トラブル

2019年11月06日

「住まいるダイヤル」での住宅相談件数が前年比で14.6%の大幅増加

 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターが、2019年10月31日、『住宅相談統計年報2019』を発表しました。それによると、電話による相談件数は年間3万件を超え、前年度比では14.6%も増えているそうです。

●累計での電話相談件数は32万件を突破
 公益財団法人住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、国土交通大臣による「住宅紛争処理支援センター」の指定を受けて、2004年から電話による住宅相談業務、住宅紛争処理支援などの業務を開始、19年3月末までの累計相談受付件数は32万件を超えるほどになっています。
 毎年、これらの電話相談などに関して統計的に整理したものを年報として発表しています。その2018年度版が2019年10月31日に発表されました。詳しい内容は、同センターのホームページから閲覧できるようになっています。ここでは、その一部を紹介しますが、掲載されている内容は多岐にわたるので、ぜひ下記から詳細をご覧ください。
★『住宅相談統計年報2019』
http://www.chord.or.jp/tokei/pdf/soudan_web2019.pdf

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●年間の電話相談の件数は3万件を超える
 住宅リフォーム・紛争処理支援センターの『住宅相談統計年報2019』によると、18年度中に同センターに寄せられた電話相談は合計3万2253件でした。それまで増加の一途を辿ってきた相談件数が、17年度には減少したものの、18年度は再び増加に転じ、前年度比で14.6%も増えました。
 新築住宅等に関する相談とリフォーム等に関する相談がありますが、新築住宅関係が約2万件で、リフォームが約1万2000件になっています。
 1件の相談が1回の電話で終わるとは限らず、繰り返しの相談になることが少なくありません。そのため、延べ応答件数は4万件を超えているそうです。

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●トラブルが発生してからの相談が大半に
 その相談の内容を、「住宅のトラブルに関する相談」と「知見相談」に分けると、新築住宅では、トラブル相談が65.6%で、知見相談は16.3%にとどまっています。リフォーム関係でも、同様にトラブル相談が61.4%で、知見相談が32.5%という結果でした。
 リフォームにおいては、事前に相談する知見相談がやや増える傾向にありますが、いずれもトラブルが発生してしまってからの相談が中心になっています。現実には、トラブル発生後の問題解決は簡単ではないので、事前に相談するのが一番なのですが、なかなかそうはなっていないようです。

●相談の9割近くは一般消費者が占める
 住宅リフォーム・紛争処理センターの電話相談は、一般消費者だけではなく、全国の消費生活センターなどや事業者からの相談にも対応しています。
 その内訳をみると、電話相談全体では86.8%が一般消費者で、消費生活センターの担当者などが5.9%、事業者が4.9%、その他が2.4%となっています。リフォームではやや消費生活センターなどからの相談の割合が高くなるものの、やはり、一般消費者からの相談が大多数を占めているようです。
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●新築、リフォームともに一戸建てが9割近くに
 電話相談における住宅の形式をみると、新築では79.0%、リフォームでも78.9%が一戸建てになっています。マンションなどの共同住宅は2割ちょっととどまっています。
 また、利用関係では新築住宅では持家が89.5%で、リフォームでは持家が95.1%を占めます。賃貸住宅は極めて少数派にとどまります。
 新築、リフォームともに一戸建てでかつ持家に関する相談が主流になっているといっていいでしょう。
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●解決希望策は新築では「修補」が55.9%
 新築住宅にしろ、リフォームにしろ、知見相談よりは、トラブル発生後の相談が多いのは、先に見た通りですが、では、そのトラブルに関して、どのような解決策を求めているのでしょうか。
 新築住宅では、「修補」が55.9%と過半数を占め、「損害賠償」11.5%、「修補と損害賠償」7.5%、「契約解消」7.4%などが続いています。契約を解消して代金を返してほしいという厳しい要求は少数派で、とにかく欠陥部位を直してくれればそれでいいという人が大半のようです。
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●リフォームでは損害賠償や契約解消が増える
 それに対して、リフォームでは「修補」が39.9%と最も多いのは新築と変わりませんが、その他「損害賠償」が13.3%に増え、「契約解消」も11.9%、「修補と損害賠償」も8.1%に及んでいます。
新築に比べると、金額が少なくなるという事情もあるのでしょうが、単に直してもらえばいいというのではなく、求める解決策が、業者側にはかなり厳しいものになっているようです。




posted by ky at 09:23| トラブル

2019年08月09日

なかなか絶えない訪問販売のリフォームトラブル――「住まいるダイヤル」調査B

 今回は、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの『住宅相談統計年報2019』の結果を紹介する第3回目です。主にトラブルになったときの不具合事象と、訪問販売によるリフォームトラブルを取り上げます。

●住宅相談のうち78.7%には不具合あり
 住宅リフォーム・紛争処理支援センターに寄せられた新築相談のうち、78.7%と、8割近くが「不具合あり」としており、「不具合なし」は21.3%に止まっています。その不具合がトラブルにつながっているのでしょうが、では、実際にどんな不具合が多いのでしょうか。
 図表7をご覧いただければ分かるように、一戸建て、マンションなどの共同住宅等ともに、「ひび割れ」がトップで、一戸建ては21.0%と特に多くなっています。

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●マンションでは水回りには要注意
 次いで、「雨漏り」「性能不足」「はがれ」などが一戸建て、マンションともに多いようです。ただ、マンションでは「漏水」「排水不良」など水回りにも注意が必要なようです。
 なお、不具合減少別に部位をみると、トップのひび割れは、外壁、基礎などにみられることが多く、雨漏りは外壁、屋根で、「性能不足」は設備機器、外構などで、はがれに関しては屋根や外壁に多くなっているようです。

●リフォームでは「はがれ」がトップに
 リフォーム相談においては、「不具合あり」が66.4%、「不具合なし」が33.6%となっています。住宅相談より「不具合あり」の割合が低くなっていますが、リフォームでは、それ以外の取引関係などについても相談が多いのでしょう。
 ともあれ、その不具合ありの場合、不具合事象をみると、図表8にあるように、リフォームの不具合のトップは、「はがれ」で、一戸建てが17.7%、マンションが17.4%となっています。壁紙、カーペットのはがれなどの不具合が多いのでしょう。

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●マンションではリフォームによる変形にも要注意
 一戸建てでは、「はがれ」に続いて、「雨漏り」「性能不足」「ひび割れ」などが続いていますが、マンションでは「変形」が15.6%と、一戸建てに比べて格段に多くなっている点が要注意です。
 部位をみると、「変形」が多いのは、床、開口部・建具などでリフォームによって床にゆがみなどの変形が発生する、開口部や建具がスンナリと動かなくなってしまうといった事象が多いようです。
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●なかなか無くならない訪問販売のトラブル
 リフォームでは訪問販売によるトラブルが相変わらず絶えませんが、住宅リフォーム・紛争処理支援センターでは、このリフォームに関する訪問販売トラブルに関しても集計・分析を行っています。
 図表9にあるように、このところは訪問販売によるトラブル件数が年間650件前後で推移しており、なかなか簡単にはなくならない現実があるようです。18年度はリフォームトラブルに関する相談件数の8.8%を占め、その大半の96.3%が契約後の相談になっています。契約してしまってから、後悔する人たちがほとんどのようです。

●被害に遇わないように周りが目配りする
 後悔しないためには、訪問販売によるリフォーム契約は結ばないのが大前提です。「すぐにリフォームしないと危ない」と、半ば脅しのように契約を迫るケースが多いといわれていますが、それに屈してはダメでしょう。
 図表10にあるように、訪問販売によるリフォームトラブルの被害に遇うのは「60歳代」と「70歳〜」がほぼ半数を占めています。お年寄りはついつい不安になって、ハンコを押してしまいがちなので、周りの人たちが目配りしておくことも重要です。
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●国民生活センターの相談件数は年間7000件台
 この訪問販売によるリフォームトラブル、国民生活センターでも注意を呼びかけています。同センターへの相談件数は、16年度6595件、17年度6385件、18年度7185件と、住宅リフォーム・紛争処理支援センターの相談件数をはるかに上回っています。19年度に入ってからも、18年度を上回るピッチで相談がが増えています。
 国民生活センターでは、訪問販売によるリフォームトラブルのひとつとして、点検商法に関しても相談件数を集計しています。

●訪問販売では点検商法にも注意が必要
 たとえば、給湯器の点検きたという事業者が床下を勝手点検して、「基礎にヒビが入っている」「シロアリ駆除が必要」などと脅してリフォームを強要したりします。
 こちらが、16年度5727件、17年度5415件で、18年度が5669件となっています。19年度に入ってからも18年度と同じようなピッチで相談が続いています。
 こうした訪問販売、突然やってきた、半ば脅しようなやり口でリフォームを強要しますから、とにかくリフォームの訪問販売業者は家のなかに入れないようにしましょう。

★国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」のページ
http://www.kokusen.go.jp/soudan_topics/data/reformtenken.html



posted by ky at 08:20| トラブル