2019年11月02日

11月の住宅ローン金利、フラット35は半年ぶりのアップ、10年固定も一部上昇

 2019年10月、長期金利が「一時的」に上昇しました。10月初旬には−0.2%を下回っていたのが、10月末には、−0.1%台まで上がったのです。この長期金利の上昇を受けて、フラット35の金利が久しぶりにアップしました。民間の固定期間選択型の10年固定も一部で上昇しています。ただ、「一時的」としたように、このまま住宅ローン金利がいっきに上がるようなことはないでしょう。

●フラット35は10月に比べて0.06%のアップ
 住宅金融支援機構と民間提携のフラット35の金利は、返済期間によって異なります。2019年11月の金利は、返済期間15年〜20年の最低金利が1.12%で、21年〜35年が1.17%です。いずれも10月に比べて0.06%のアップになりました。
 フラット35の金利が上がるのは19年5月に1.27%から1.29%になって以来のことで、半年ぶりの上昇です。この2、3か月分の金利低下がいっきに解消されてしまったような上昇です。
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●借入額3000万円だと年間間でほぼ1万円の負担増に
 借入額3000万円、35年の元利均等・ボーナス返済なしで試算すると、10月の1.11%なら毎月8万6232円ですが、11月の1.17%だと8万7083円です。月額にして851円、年間するとほぼ1万円の負担増になります。このまま35年間返済を続けるとすれば、およそ36万円も支払いが増える計算です。
 この借入額が4000万円、5000万円と増えれば、負担増加も大きくなってしまうので、注意が必要です。

●金利のタイミングを捉えることが重要になる
 わずか0.06%の差とはいえ、長い年月でみると影響は決して小さくありません。住宅ローンは、金利動向を見据えて、絶好のタイミングをとらえることが大切であることが分かります。
 ただ、フラット35や民間ローンの大半は、融資申込み時の金利ではなく、融資実行時の金利が適用されます。中古住宅や完成済みの新築住宅なら、金利低下時に申し込んで実行を受ければ、超低金利を享受できますが、メガマンションなどで完成が2年先、3年先となると金利を読むのは簡単ではありません。悩ましいところです。

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●みずほ銀行の10年固定の金利が0.05%上昇
 民間では、固定期間選択型の指標金利といわれる10年固定において、みずほ銀行が0.05%引き上げて0.75%としました。ほぼフラット35の金利引上げと同様の動きといっていいでしょう。
 それに対して、メガバンクでも三井住友銀行、三菱UFJ銀行は10月の金利のままに据え置いています。また、三井住友信託銀行、りそな銀行もやはり変化がありません。

●12月には再び金利が低下する可能性も
 11月にはフラット35とみずほ銀行の金利が上がりましたが、このまま一直線に上昇していくことはないでしょう。というのも、11月に入って長期金利は再び低下傾向を示しています。1日には一時−0.19%台まで下がり、−0.2%台を目前にしています。
 アメリカの金利引下げに対応して、日本銀行がどう動くか注目されましたが、10月末の金融政策決定会合では、ひとまず現在の金融緩和策が継続され、マイナス金利の深掘りは見送られました。ただ、日銀の黒田総裁は金利引下げへの意欲を示しているといわれ、それが実現されると、再び住宅ローン金利も過去最低水準まで下がるのではないと見られます。今後の動向に注視しておく必要がります。



posted by ky at 09:35| ローン金利

2019年11月01日

来年度予算への要望はZEHの運用改善が最大の眼目に――住団連の取組み

 住宅生産団体連合会では、年末の税制大綱、予算編成に向けて住宅業界の要望を取り上げてもらうべく、国会議員などへのロビー活動に力を入れています。来年度に向けての要望は大きく次の3点としています。

●20年度の税制改正は期限切れの延長が眼目に
 住団連としては、2019年度の税制や予算において、ほぼ業界の要望通りに消費税対策の住宅取得支援策が実現されたことを評価、20年度については目玉となるような新たな施策の要望はなく、原則的に19年度で期限切れとなる制度の継続に力を注いでいます。これが、第1のポイントです。
 固定資産税、登録免許税、不動産取得税などの特例措置の2年間の延長を求めるもので、住団連によると、「特例の廃止によって景気を減速させてはならないと、ほぼ納得をいただいています」としており、例年通り期間延長が実施されることになりそうです。

●着工が回復しなければ追加対策の要望も
 第2には、消費税増税対応の住宅取得支援策が実施されていますが、いまのところ当初の期待ほどの成果は挙げられていないのが現実のようです。今後もこうした厳しい状態が続いた場合、景気に悪い影響を与えかねないため、新たな対策を要望する予定です。
「来年度予算では間に合わない可能性もあるので、補正予算を組んで、できるだけ早く着手してもらう必要があります」
 としています。ただ、いまところどのような対策が可能なのか、具体的な手法については明確な方針が固まっていないようです。

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●ZEHの補助金の柔軟な制度設計の見直しを
 いまひとつの柱が、ZEH(ゼロ・エネルギー・ハウス)の補助金に関する運用の見直しの要望です。
 周知のように、ZEHの補助金は図表にあるように環境省、経済産業省、国土交通省の3階建ての複雑な仕組みになっています。しかも、補助金の申請期間が限られ、その後の審査を経て着工、引渡しまでの期間が極めて短くなっています。現実的には7月から9月に着工する住宅でないと対象にならないのが現実です。

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●弾力的な制度運用でZEHが大幅に増加?
 住団連の調査でも、このスケジュール的な制約が足かせになっていることが明らかになっています。ZEHの補助金を申請するためには、着工、引渡しなどのスケジュールが大きく変わるために、ZEHにすることを見送ったとするケースが3割を超えています。
 金額的には100万円を超える大きな補助金であり、消費者にとってのメリットは大きいはずですから、制度が弾力的に運用されれば、ZEHにすることのインセンティブが明確になって、ZEH仕様の住宅が増えるはずです。
 ぜひともより利用しやすい仕組みへの改善を図っていただきたいものです。

posted by ky at 08:50| 住宅税制

2019年10月31日

一戸建て市場に暗雲――住団連調査で支援策の効果が上がっていないことが 明らかに

 住宅生産団体連合会(住団連)が2019年10月29日、『経営者の住宅景況感調査(令和元年度第3回)』の結果を公表しました。住宅市場は、長く不振が続いた賃貸住宅には底打ち感が出てきたものの、一戸建てやリフォームに関しては極めて厳しい現状と見通しが明らかになっています。

●総受注戸数の実績は−80ポイントに
 住団連の『経営者の住宅景況感調査(令和元年度第3回)』によると、2019年7月〜9月の実績は、全体で図表にあるように総受注戸数が−80ポイント、総受注金額が−50ポイントという厳しい結果でした。10月〜12月期の見通しに関しても、総受注金額は−55ポイントで、総受注金額で−33ポイントです。
 調査を行った住団連では、「各種の住宅取得支援策によって、消費税増税による駆込み需要は少なく、その反動減も少ないといわれてきましたが、実際には大きな反動減が発生しています」としています。

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●一戸建て注文住宅が大きな落込みに
 なかでも予想外だったのが一戸建て注文住宅です。ローン減税の拡充などの住宅取得支援策が最も効く分野であるはずで、消費税増税による影響を極小化して、平準化を促進する効果が期待されていました。しかし、実際にふたを開けてみると、図表にあるような結果でした。
 7月〜9月期の実績をみると、総受注戸数が−73ポイントで、総受注金額は−58ポイントでした。10月〜12月の見通しをみても、総受注戸数は−46ポイント、総受注金額は−42ポイントとなっています。

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●このままではさらなる対策が必要になる
 19年は8月、9月と週末のたびに台風や大雨に襲われて、住宅展示場の集客数が大幅に減少したことが最大の要因とみられますが、住団連では住宅取得支援策が期待したほどには効果が上がっていない点も要因のひとつに挙げています。住宅自体は、支援策が充実していても、生活関連費用の増税によって家計負担が重くなっている上、景気の先行きについても自信がもてないことなどと相まって、需要に結びついていないのではないかとしています。
 そのため、住団連では、「今後も落込みが続くようだと、景気への影響も大きいので、さらなる対策を取ってほしいと国会などに要請することになるでしょう」としています。

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●賃貸住宅市場にはようやく底打ちの気配
 一方、この数年落込みが続いてきた低層賃貸住宅については、やや落ち着きを取り戻しつつあるようです。
 図表にあるように、7月〜9月の実績では総受注戸数は−25ポイントのマイナスですが、総受注金額は±0になっています。さらに、10月〜12月期の見通しに関しては、総受注戸数が−13ポイント、総受注金額が−8ポイントと、まだまだ水面下ではあるものの、折れ線グラフはこのところ右肩上がりのカーブを描いています。
 落ちるところまで落ちて、ようやく底打ちが見えてきたといってもいいのではないでしょうか。やがて水面上に顔を出すのではないかと期待されます。
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●リフォームの実績は10四半期ぶりのマイナスに
 これまで好調が続いてきたリフォームの先行きも怪しくなっています。7月〜9月期の実績では、受注金額が−41ポイントとなりました。リフォーム実績の受注金額がマイナスになったのは、10四半期、2年半ぶりのことです。
 10月〜12月期の見通しに関しても、受注金額が−18ポイントで、リフォームの見通しがマイナスになるのは、消費税率が8%に引き上げられたとき以来のことです。
 消費税増税に対応して導入された「次世代住宅ポイント」制度では、リフォームにも力が注がれていますが、その成果はさほど挙がっていないようです。
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●向こう6か月の経営指標は「変わらず」が主流に
 住団連の『経営者の住宅景況感調査(令和元年度第3回)』では、向こう6か月の経営指標に関して、経営者に対してアンケートを実施しています。
 その結果は図表にある通りですが、全体的に「増やす」「減らす」より「変わらず」が中心の保守的な結果といっていいでしょう。
「増やす」「減らす」ともにさほど多くないのですが、各項目ともに「増やす」「減らす」の割合は拮抗しています。

●年間新設着工戸数の予想は下方修正
 また、19年度の新設住宅着工戸数に関してもアンケートを行っていますが、今回の調査では最大値が95.3万戸で、最小値が86.3万戸と、上下10万戸近い差が出ました。それだけ予測が難しくなっているということでしょうか。
 平均では91.0万戸です。前回の調査時の平均は92.0万戸でしたから、弱気の下方修正になっています。なかでも、賃貸住宅が1.3万戸の減少と下方修正の主因になっています。国土交通省の『建築着工統計調査』では、8月の着工戸数の年率換算は90万戸を割っているだけに、この程度の下方修正ですむのかどうか、先行きへの不安が強まります。




posted by ky at 09:05| 住宅市場

2019年10月30日

19年7月〜9月期のフラット35申請件数が前年同期比で1割以上の増加

 2019年10月19日、住宅金融支援機構が19年7月〜9月期のフラット35申請件数などを発表しました。全体としては超低金利を反映して前年同期比で1割以上増えており、なかでも保証型の増加が一際目立っています。

●マンション価格上昇を反映して実績金額大幅拡大
 住宅金融支援機構によると、図表1にあるように2019年7月〜9月のフラット35申請戸数は3万1591戸で、前年同期比で11.6%の増加でした。今年に入って再び金利が低下していることもあって、順調に申請が増えているようです。
 なかでも、注目していただきたいのが、実績金額。前年同期に比べて1000億円以上、17.8%も増えています。それだけ首都圏を中心にマンション価格などが上がっていることを示しているといっていいでしょう。

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●フラット35買取型申請戸数増加率は一桁台に
 このフラット35には、民間金融機関が融資した債権を住宅金融支援機構が買い取る、「買取型」と、民間金融機関の融資を住宅金融支援機構が保証する「保証型」があります。保証型は比較的新しく、まだ実施している金融機関はさほど多くないのですが、買取型に比べて金利が低いこともあって、大幅に増加しています。
 まず、買取型だけをみると、図表2にあるように、申請件数は前年同期比で7.6%の増加にとどまっています。実績金額は12.4%と二桁の増加ですが、全体に比べると伸び率はやや低い水準にとどまっています。

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●保証型は買取型に比べて金利が低いメリット
 代わって大きく増加しているのが、保証型です。図表3にあるように、申請戸数レベルでは4781戸と買取型の15.1%にとどまっていますが、前年同期比をみると41.2%の増加になっています。前年同期は13.6%でしたから、フラット35におけるシェアも着実に拡大しています。
 保証型は、買取型に比べると自己資金割合2割以上などと条件が厳しくなる反面、金利はかなり低めに設定されています。自己資金、年収などにゆとりのある層を中心に、注目度が高まっているようです。

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●現段階の保証型実施機関は6社にとどまる
 この保証型を実施しているのは、19年10月現在、日本住宅ローン、アルヒ、財形住宅金融、広島銀行、クレディセゾン、住信SBIネット銀行の6社だけです。買取型はほとんどの金融機関が実施しているのに対して、保証型は極めて少数派なのですが、この勢いで増加していけば、他の金融機関もいずれは追随せざるを得なくなるでしょう。
 そうなると、保証型の利用が大幅に増加して、やがては買取型に肉薄することになるのではないでしょうか。



posted by ky at 09:35| フラット35

2019年10月29日

ミサワホームなどが『アスマチ藤沢』を含む『藤沢市藤が岡二丁目地区整備事業』着工

 ミサワホームが同社初となるPFI事業として、2019年10月25日、『藤沢市藤が岡二丁目築整備事業』を着工しました。藤沢市が所有する公共施設を建替え、民間収益施設と一体で整備します。保育園などの公共施設とともに、民間収益施設として『(仮称)アスマチ藤沢』が誕生する予定です。

●老朽化施設を再整備するためのPFI事業
 神奈川県藤沢市では、「藤沢市公共施設再整備基本方針」に基づいて、藤沢市が所有する老朽化した施設を解体、安全性を確保するとともに、機能集約・複合化による公共施設整備を進めています。
 その一環として2016年に藤が岡二丁目地区で老朽化した保育園や職員住宅、看護師寮の解体、跡地での公共施設と民間収益施設の複合施設として一体で整備するPFI事業の公募を行いました。
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●地元企業など3社と共同で事業に応募
 ミサワホームは、関連会社のマザーズなどを通して介護施設の運営など医療・介護・子育て支援を中心とした社会的課題の解決を促進する複合施設、コンパクトシティ型の不動産の開発などに力を入れています。2018年にオープンした「アスマチ浦安」がその第1弾です。
 そうした方向性から、ミサワホームでは、ゼネコンの門倉組、設計の三橋設計、施設運営の工匠と4社共同でPFI事業に応募、採択されました。

●『(仮称)アスマチ藤沢』などは21年4月に開業予定
 計画によると、公共施設としては、藤が岡つどいの広場、放課後児童クラブ、藤が岡保育園などが整備され、民間収益施設としては、小規模多機能型居宅介護施設、フィットネススタジオ、放課後等デイサービス、クリニックなどが整備されます。このうち、民間収益施設は、『(仮称)アスマチ藤沢』としてミサワホームが所有する計画としています。
 建物は、鉄筋コンクリート造の地下1階、地上3階建てで、19年10月に着工し、21年2月の竣工予定で、4月から開業予定です。



posted by ky at 08:51| まちづくり

2019年10月28日

埼玉県が『第11回彩の国みどりの優秀プラン賞』の受賞作7件を発表

 埼玉県では、「ふるさと埼玉の緑を守り育てる条例」に基づいて、1000u以上の敷地で建築行為を行う場合、一定の緑化基準を満たす緑化計画の届出を義務づけています。その届出のあった緑化計画のなかから、毎年、特に優秀で他の模範となる計画を表彰する「彩の国みどりの優秀プラン賞」を選定しています。2019年10月24日、その第11回、2019年度分の優秀プラン7件が発表されました。

●10月31日に知事公館で表彰式を開催
 2019年度の『第11回彩の国みどりの優秀プラン賞』の受賞作7件は次の通りです。10月31日に、埼玉県知事公館大会議室で表彰式が行われる予定です。
・桶川市役所(桶川市、株式会社日本設計)
・シティテラス八潮(住友不動産株式会社)
・春日部市立医療センター(春日部市)
・富士フイルムワコーケミカル株式会社埼玉工場富士フイルムワコーケミカル株式会社)
・オハナ蕨錦町(野村不動産株式会社住宅事業本部事業開発四部)
・行田市斎場(行田市)
・プレミスト戸田公園(大和ハウス工業株式会社東京本店マンション事業部、株式会社長谷工コーポレーションエンジニアリング事業部)
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●1533件のうちの7件、0.5%という狭き門
 審査は書類審査や現地確認の上、外部有識者で構成される「埼玉県みどりの再生県民会議優良緑化認定審査部会」で12計画を認定、そのなかから特に優秀で、他の模範となる7計画が優秀プランに選定されました。
 埼玉県によると、対象となる1000u以上の敷地計画の建築物は1533件だそうですが、そのなかの7件といえば0.5%という狭き門です。優秀プランに選定されるのは並大抵のことではなさそうです。
20191025131630_2[1].jpg敷地内に緑道を整備して地域に開放する
 そこで、受賞に関するリリースが送られてきた大和ハウス工業の『プレミスト戸田公園』の受賞理由などをみてみましょう。
 埼玉県の講評によると、
@建物の周囲を緑化率の高い高木で囲むことで、準工業地域で雑然とした印象の空間を緑による潤いと奥行きを感じる空間としている
A出入り口付近には居住者以外にも開放された緑道が整備され、近隣住民にも緑を身近に感ずることができるように工夫されている
 の2点が評価されての受賞だそうです。
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●ガラス張りのラウンジから庭の緑を臨む
 このAの緑道は「フォレストゲート」と名付けられ、住民の散策路であると同時に、地域に開放しています。また、ガラス張りのラウンジ「フォレストサロン」からは、四季折々の変化を実感できる庭の植栽を臨むことができるように配慮されています。
 そのほか、環境に配慮という点では、全戸にサイクルポートが設けられ、入居者が利用できるカーシェアも設置されています。

●鉄筋コンクリート造地上10階で総戸数100戸
 この『プレミスト戸田公園』、2018年1月竣工で、2月から入居が始まりました。建物は鉄筋コンクリート造の地上10階建て、総戸数は100戸です。専有面積が68.08u〜85.27uで、分譲時の価格は3800万円から5600万円、最多価格帯は4000万円台でした。
 最寄り駅はJR埼京線「戸田公園」駅で、徒歩時間は13分となっています。徒歩時間が長い割には分譲時の評価は高く、その最大の要因が、『第11回彩の国みどりの優秀プラン賞』を受賞した緑の充実といった点にあったようです。




posted by ky at 08:57| 住宅政策

2019年10月27日

耐震改修促進計画の策定や補助金制度未整備の市区町村が残っている!

 国土交通省では、大規模地震発生時における人的・経済的被害の軽減を図るために、住宅・建築物の耐震化の促進に積極的に取り組んでいます。耐震改修促進計画を立て、補助金制度を実施している市区町村と合わせて国の補助を行い、耐震化率の向上を促進しています。そのためには、市区町村レベルの対応が重要になってくるので、国土交通省では毎年その整備状況に関する調査を行っています。2019年10月25日、その2019年度分の超結果が公表されました。

●新耐震基準以降の建築物は被害が小さくなる
 大規模地震発生時の被害を抑制するためには、住宅を初めとする建築物の耐震化が極めて重要であるのはいうまでもありません。そのため、わが国では大地震のたびに建築基準法が強化され、現在の新耐震基準は1981年(昭和56年)に施行されました。
 図表にある国土交通省の資料によると、阪神・淡路大震災においては、この新耐震基準を満たしているかどうかで、被害状況が大きく異なっていることが明らかになっています。新耐震以前の建築物の3割近くが大破したのに対して、新耐震以降の建築物は1割未満にとどまっているのです。

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●耐震性が不足している住宅が約900万戸
 この新耐震基準では、「数百年に一度の大地震でも倒壊しない」ことが条件になっています。阪神・淡路大震災ではそれがある程度実証されたといってもいいでしょう。
 そのため、この新耐震基準以前の建築物の耐震強化が喫緊の課題となってきます。
 図表にもあるように、13年段階で、わが国の住宅の総戸数約5200万戸に対して、耐震性がある住宅は約4300万戸で、残りの約900万戸が耐震不足とされているのです。

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●25年までに耐震性不足の住宅をゼロにする
 年々、その耐震性のない住宅は減少していますが、それでも、これをさらに減らして、早急にゼロにしなければなりません。
 国としても、2025年までに耐震性のない住宅ストックを概ねゼロにするために、積極的な取組みを行っているところであり、そのために、国と地方公共団体が一体となって、耐震改修の促進に取り組んでいるわけです。

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●一部にまだ計画がない市区町村がある
 その前提になるのが、地方公共団体の耐震改修促進計画の策定と補助金制度の確立ですが、図表にあるように、まず47都道府県のすべてにおいて、耐震改修促進計画が策定されていることが分かりました。
 ただし、市区町村になると、1741市区町村のうち、19年4月1日現在で計画が策定されている市区町村は1703で、全体の97.8%という結果でした。100%に近い数字とはいえ、まだ策定されていないところがあります。21年度までには100%に達する見込みですが、大地震はいつやってくるか分からないだけに、早急な対応が不可欠でしょう。

●耐震診断の補助金制度は9割近くに
 計画だけではなく、それに対応した補助金制度の確立も重要です。それが、耐震診断、耐震改修実施への大きなインセンティブになるはずです。
 その点に関しては、図表にあるように耐震診断の補助金制度がある市区町村は全体の87.9%という結果でした。市区町村の補助金制度がないと、国の補助金も利用できないだけに、実施していない市区町村の早期の対応が求められます。

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●共同住宅への補助金制度は5割以下に
 なかでも、実施率が低いのがマンションなどの共同住宅。一戸建て住宅への補助金制度を実施している市区町村が86.5%に達しているに対して、共同住宅は41.9%と半数にも達していないのです。
 マンションやアパートなどは多数の世帯が入居しているだけに、被害が出ると一戸建ての比ではありません。マンションなどの鉄筋コンクリート造の住宅は木造よりも地震に強いといわれているものの、安心はできません。

●耐震改修も共同住宅での実施率は4割以下
 一方、耐震改修への補助金に関しては、88.8%の市区町村が実施しています。前年調査では87.0%でしたから、ジワジワとですが着実に制度が広がっています。
 ただし、ここでも一戸建てが87.8%に達しているのに対して、共同住宅は36.5%と4割にも満たない実施率です。マンションの耐震改修には高額な費用がかかり、補助金も大きくならざるを得ず、財政難が深刻化するなら、なかなか実施できないところが多いようです。
 しかし、住民の生命・財産を守るためにはぜひとも必要な制度です。未実施の市区町村の早急な体制整備が求められます。



posted by ky at 07:17| 地価

2019年10月26日

都心6区の中古マンション価格が初めて8000万円台に――東京カンテイ調べ

 東京カンテイは、毎月大都市圏・主要都市別の中古マンション70u価格を調査、公表しています。首都圏の2019年9月分の平均価格は3727万円で、前月比0.6%、前年同月比では2.5%の上昇でした。なかでも、都心6区(千代田・港・中央・新宿・渋谷・文京)だけでみると、02年の調査開始以来、初めて8000万円台を記録しました。

●売出し価格を専有面積70uに換算して調査
 本欄の不動産経済研究所の新築マンションの動向、東日本不動産流通機構の中古マンションの動向などでもお伝えしているように、首都圏のマンション、なかでも中古マンションの価格上昇が止まりません。
 東京カンテイの調査は、中古マンション売出し価格を専有面積70uに換算してまとめたもので、消費者のニーズに対応した調査ということができそうです。今回は、首都圏における調査結果の概要をみてみましょう。
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●首都圏平均では前年同月比2.5%の上昇
 首都圏全体の平均価格は3727万円でした。前月比では0.6%の上昇、前年同月比では2.5%の上昇となっています。これで前月比、前年同月比ともに3か月連続してアップしたことになるそうです。
 過去2か月と比較すると、7月は前月比0.3%、前年同月比1.4%、8月は前月比0.5%、前年同月比1.8%の上昇だったので、月を追うごとに上昇率が大きくなっていることが分かります。

●東京都は前年同月比で5.5%のアップ
 都県別にみると、東京都は5165万円で、前月比2.7%、前年同月比5.5%と特に前年同月比のアップ率が大きくなっています。東京都に次いで価格水準が高い神奈川県は2937万円で、前月比3.2%、前年同月比1.6%の上昇で、前月比は東京都より上昇率が高くなっています。
 一方、埼玉県は2285万円で、前月比は0.7%の上昇ですが、前年同月比は−0.4%と若干のダウンになっています。また、千葉県の平均価格は2056万円で、こちらは前月比が.−0.2%とややダウンしているものの、前年同月比では1.8%の上昇でした。

●東京23区は前年同月比7.0%の大幅アップ
 首都圏の主要都市の動向をみると、東京23区の平均価格は5764万円で、前月比は2.3%、前年同月比は7.0%と大幅な上昇を記録しました。この23区のアップが、首都圏全体を大きく押し上げているといっていいでしょう。
 それに対して、横浜市の平均は3085万円で、前月比0.1%、前年同月比0.4%の上昇にとどまり、さいたま市は前月比−1.0%、前年同月比−2.7%のダウンで、千葉市は前年同月比−0.1%で、前年同月比が6.0%のアップというまだら模様の結果でした。
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●都心6区は前年同月比で7.1%のアップに
 東京カンテイでは、都心23区をさらに、千代田・港・中央・新宿・渋谷・文京の都心6区、世田谷区・杉並区などの城南・城西、江東区・足立区などの城東・城北エリアに分けての分析を行っています。
 それによると、都心6区の平均価格は8065万円で、02年の調査開始以来、初めて8000万円台の大台に乗せました。前月比は1.3%、前年同月比は7.1%の大幅なアップでした。

●都心6区の平均坪単価は380万円台に
 70u換算で8065万円ということは、3.3u当たりの坪単価にすると約380万円です。都心6区以外の23区にすれば、新築マンション並みの価格といっていいでしょう。何しろ都心6区の価格は飛び抜けており、これが東京23区、ひいては首都圏全体の価格を大きく押し上げているわけです。
 一方、城南・城西エリアは5515万円で、前月比0.6%、前年同月比3.1%のアップで城東・城北エリアは4316万円で、前月比0.7%、前年同月比3.0%のアップでした。



 
posted by ky at 09:41| マンション市場

2019年10月25日

ミサワホームが東京モーターショーで令和時代の住まいづくり、街づくりを展示

 2019年24日から11月4日まで、東京・有明において開催されている『第46回東京モーターショー』。そこに、住宅メーカーのミサワホームが、令和時代のあらたな住まいづくり、街づくりに関する展示を行っています。

●クルマ離れに対応した『キッザニア』などの新機軸も
 若い世代のクルマ離れや海外メーカーの出展取りやめなどもあって、東京モーターショーの最近の来場者数はピーク時の半分以下になっているそうで、主催する日本自動車工業会では、さまざまな新機軸を打ち出しているようです。
 ニュース報道などで大きな話題になった『キッザニア』の登場がその代表格。F1パイロットから整備士まで、クルマ関連の仕事を体験できるコーナーなどを設置。家族連れの来場を期待してのことです。
各種の先進テクノロジーやサービスが展示され、入場者はそれを体感できる『FUTURE EXPO』もその一環で、そこにミサワホームが出展しています。

●無料で入場できる「青海エリア」を増設
 これまでの東京モーターショーは有明エリアの東京ビッグサイトが中心でしたが、今回は青海エリアまで範囲を広げ、過去最大規模の広さになっています。
 東京モーターショーの当日券は2000円ですが、青海エリアに設けられた『FUTURE EXPO』エリアは無料で入場できます。もちろん、ミサワホームの展示も無料で見学できます。
 この無料エリアの設定もやはりクルマ離れ、東京モーターショー離れに対応したものといっていいでしょう。
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●2011年に積水ハウスが初めての出展
 東京モーターショーと住宅業界の関わりとしては、2011年には積水ハウスが電気自動車と住宅の連携によるスマートハウスを展示したのを皮切りに、その後も、家電や住宅と自動車を連携する「つながるクルマ」がテーマの「スマートモビリティシティ」などの展示が行われてきました。
 今回のミサワホームの展示もそうした流れの延長線上に位置づけることができ、令和時代の住まいづくり、街づくりへの提案を行っています。

●インフラ未整備の酷暑地域でも自立した生活
 ミサワホームの展示は、会社設立時からの住まいづくりの歴史、思想などを紹介し、先進的な住宅、今後目指していく街づくりに盛り込まれるテクノロジーなどを、模型や映像、実機などの展示を通して紹介しています。
 たとえば、「サステナブルアーキテクチャー」のコーナーでは、模型や映像によって、エネルギーインフラが未整備の地域においても、自立した暮らしが実現できるような先導的な技術が取り上げられています。
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●ミサワホーム独自のパッシブデザインを活かす
 具体的には、太陽熱を利用したカスケードソーラーデシカントや中温冷水を利用した壁・天井放射冷房システムなどが盛り込まれたこの建物は、2019年度のグッドデザイン賞を受賞しています。
 ミサワホームは早くから、自然の力を有効に活用したパッシブデザインの「微気候」デザインに力を注いできました。また、南極の昭和基地の建設に携わるなどの経験値も活かされています。それらが最新技術と融合、先進的住まいづくり、街づくりにつながっていることが実感できます。

●エクステリアとして設置可能な「ドリップルーバー」
 また、アルミ素材のルーバーに、上からゆったりと水をしたたらせることで高い蒸発冷却効果を発揮することを利用、周辺に打ち水効果をもたらすミサワホーム独自開発の「ドリップルーバー」も展示されています。
大勢の来場者で賑わう会場内に、休憩スペースとして涼しさをもたしています。
 もちろん、一般家庭においては、エクステリアアイテムとして設置可能なアイテムとなります。
 11月4日までの開催期間中、家族連れで訪れてみてはどうでしょうか。



posted by ky at 11:20| 住宅メーカー

2019年10月24日

8割以上の人がマンション管理組合の理事にはなりたくないと考えている

 マンション向けインターネット接続サービスを主軸に、ITを活用したマンション向けソリューションを提供している株式会社つなぐネットコミュニケーョンズのマンション・ラボが、「マンション居住者に対する、理事会運営に関する調査結果」を発表しました。それによると、8割以上の人がマンション管理組合の理事にはなりたくないと答えるなど、今後のマンション管理組合運営に関する課題が浮き彫りになっています。

●6割近い人が管理組合役員経験を持っている
 この調査はつなぐネットコミュニケーョンズが運営するマンション居住者向け情報サイト「マンション・ラボ」のアンケート会員約1万5500人を対象に、インターネット調査として実施されました。
 有効回答は2507件で、うち現在マンション管理組合の役員を担当している人は8.6%で、現在は役員ではないが、過去に役員を担当した経験のある人は50.3%でした。役員経験者は合計58.9%で、まったく経験のない人は41.1%という結果でした。
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●管理組合役員をやりたいという人は2割弱にとどまる
 半数以上、6割近くの人がマンション管理組合の経験を持っているわけですが、なかには、まったく経験のない人も少なくありません。
 その経験がない人に対して、役員になりたいとおもうかどうかを聞いたところ、図表1にあるように、81.9%のひとが、「思わない」と答えています。管理組合の役員をやってもいいと思っている人は、わずかに2割弱に過ぎません。
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●理事になりたくない理由は時間を拘束されるのが嫌
 では、なぜ理事になりたくないのでしょうか。その理由を複数回答で聞いたところ、図表2のような結果になりました。
 最も多かったのは、「拘束されそうだから」の41.7%で、以下「面倒臭いから」が39.8%で、「忙しいから」が39.3%という結果でした。仕事や家事など忙しいなか、一定の時間拘束されるはたいへん、面倒くさい――ということなりそうです。

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●活動への消極的な姿勢が大きな課題に
 そこで、実際に管理組合の理事を経験した人たちに、理事会運営に当たっての悩みを聞いてみると、図表3のような項目が挙がっています。
「住民への理事会活動の周知不足」が14.5%、「意見がまとまらない、出てこない」が14.3%、「毎回の理事会参加者が少ない」が14.0%などとなっています。
 住民の理事会への理解不足から、理事会への出席が悪く、出席しても意見がなかなか出ずに、出たとしても簡単にまとまらないなどの要因が挙がっています。
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●管理組合の活動の周知徹底から積極的取組みに
 その最大の要因は、住民一人ひとりのマンション管理、管理組合の重要性への認識不足を挙げられるのではないでしょうか。管理組合がシッカリ機能していないと、管理が不十分になり、定期的なメンテナンスなどもおろそかになり、ひいてはマンションの居住性や資産価値に影響してきます。
 ですから、まずはマンションの居住者に、マンション管理の重要性を周知徹底し、管理組合の取組みの実情を知ってもらう必要があるのではないでしょうか。
 図表4にあるように、半数近い人がマンション管理組合の取組みの内容などを知らないのが現実です。その重要性を知ってもらった上で、積極的な取組みにつなげるといった地道な活動が必要なのかもしれません。



posted by ky at 10:07| Comment(0) | マンション管理